2025年12月27日、サウジアラビア・リヤドで開催される
「THE RING V: NIGHT OF THE SAMURAI(ナイト・オブ・ザ・サムライ)」。
メインイベントでは、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥選手が、WBC2位アラン・ピカソ選手との6度目の防衛戦に臨みます。
この試合の結論を先に述べると、私は井上選手が圧倒的に有利だと評価しています。
理由は、31戦31勝(27KO)無敗という驚異的な戦績と87.1%という世界トップクラスのKO率
そして階級を超えた圧倒的なパワーとスピード、さらに世界戦26連勝という経験の差です。
私の予想は、井上選手の前半(1〜5R)KO勝利、確率85%です。
対戦相手のアラン・ピカソは、メキシコ出身の24歳で32戦32勝(17KO)1分という無敗の実績を誇る「IQボクサー」です。メキシコ国立大学に在学しながらボクシングキャリアを積むという異色の経歴を持ち、基本に忠実な技術と堅いガードが特徴です。しかし、井上選手の身体能力と技術、そして経験の差は明らかです。
私は日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)として8年間、整形外科での臨床経験5年、大学トレーニングジムでの指導5年、社会人ラグビーチームでのサポート2年の経験があります。この記事では、両選手の身体能力を専門的に分析し、12月27日の試合展開を予想します。
このイベントでは、サブメインイベントで中谷潤人選手もスーパーバンタム級初戦に臨みます。
前回の記事で中谷選手の試合を詳しく分析しましたが、今回は井上尚弥選手のスーパーバンタム級4団体統一王者としての6度目の防衛戦を徹底分析します。
THE RING V: NIGHT OF THE SAMURAI 試合基本情報
開催日時: 2025年12月27日(土)日本時間19:00開始
会場: モハメド・アブド・アリーナ、リヤド、サウジアラビア
配信: Leminoで独占ライブ配信(日本)
料金: Lemino PPV 事前チケット4,950円(税込)、当日チケット5,500円(税込)
豪華カード全6試合
このイベントは、サウジアラビアと日本の国交樹立70周年を記念して開催される歴史的な大会です。
メインイベント:
- 井上尚弥 vs アラン・ピカソ(スーパーバンタム級4団体統一王者防衛戦)
サブメインイベント:
- 中谷潤人 vs セバスチャン・エルナンデス(スーパーバンタム級12回戦)
注目の前座カード:
- 堤駿斗 vs ジェームス・ディケンズ(WBAスーパーフェザー級暫定タイトルマッチ)
- 寺地拳四朗 vs ウィリバルド・ガルシア(IBFスーパーフライ級防衛戦)
- 今永虎雅 vs アルマンド・マルティネス(ライト級8回戦)
- 堤麗斗 vs レオバルド・キンタナ(フェザー級8回戦)
井上尚弥vsピカソ戦の位置づけ
この試合は、井上尚弥選手のスーパーバンタム級4団体統一王者としての7度目の防衛戦です。
2023年12月にマーロン・タパレス選手を10回TKOで破り、日本人初の4団体統一王者となった井上選手。
2024年5月にルイス・ネリを6回TKO、9月にTJ・ドヘニーを4回TKOで破り、さらに2025年5月にラモン・カルデナスを8回TKO、9月にムロジョン・アフマダリエフを12回判定で破り、圧倒的な強さを証明しました。
対戦相手のアラン・ピカソは、メキシコ出身の24歳、32戦32勝(17KO)1分という無敗の実績を誇る「IQボクサー」です。WBC2位にランクされており、基本に忠実なオーソドックススタイルと、堅いガードが特徴です。メキシコ国立大学に在学しながらボクシングキャリアを積むという異色の経歴を持ち、知性と実力を兼ね備えた選手として注目されています。
井上選手にとって、この試合は2026年5月に予定される中谷潤人選手との夢の日本人対決への前哨戦という位置づけです。圧倒的な勝利で、その実力を世界に証明する重要な一戦となります。
両選手の基本データ比較
井上尚弥(いのうえ なおや)- 日本
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 生年月日 | 1993年4月10日 |
| 年齢 | 32歳(試合時) |
| 身長 | 165cm |
| リーチ | 171cm |
| 出身 | 神奈川県座間市 |
| 所属 | 大橋ボクシングジム |
| 戦績 | 31戦31勝(27KO)無敗 |
| KO率 | 87.1% |
| 世界戦経験 | 26連勝(24KO) |
| 階級 | スーパーバンタム級(55.3kg) |
| スタイル | オーソドックス、ボクサーパンチャー |
| 保持タイトル | WBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級統一王者 |
主な実績:
- 2018年5月、ジェイミー・マクドネルを1回TKOで破り、WBA世界バンタム級王座獲得(3階級制覇)
- 2019年5月、エマヌエル・ロドリゲスを2回TKOで破り、IBF世界バンタム級王座獲得
- 2019年11月、ノニト・ドネアを12回判定で破り、WBA・IBF世界バンタム級王座防衛(WBSS優勝)
- 2022年6月、ノニト・ドネアを2回TKOで破り、WBA・WBC・IBF世界バンタム級王座防衛
- 2022年12月、ポール・バトラーを11回TKOで破り、バンタム級4団体統一達成
- 2023年7月、スティーブン・フルトンを8回TKOで破り、WBC・WBO世界スーパーバンタム級王座獲得
- 2023年12月、マーロン・タパレスを10回TKOで破り、スーパーバンタム級4団体統一達成(2階級目の4団体統一、史上2人目)
- 2024年5月、ルイス・ネリを6回TKOで破り、4団体統一王座防衛①
- 2024年9月、TJ・ドヘニーを4回TKOで破り、4団体統一王座防衛②
- 2025年5月、ラモン・カルデナスを8回TKOで破り、4団体統一王座防衛④
- 2025年9月、ムロジョン・アフマダリエフを12回判定で破り、4団体統一王座防衛⑤
アラン・ピカソ(Alan Picasso)- メキシコ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 生年月日 | 2000年7月22日 |
| 年齢 | 25歳 |
| 身長 | 173cm |
| リーチ | 178cm |
| 国籍 | メキシコ |
| 戦績 | 32勝(17KO)1分 |
| KO率 | 53.1% |
| 世界戦経験 | 0試合 |
| 階級 | スーパーバンタム級(55.3kg) |
| スタイル | オーソドックス、アウトボクサー |
| ランキング | WBC2位 |
特徴:
- メキシコ国立大学に在学中の「IQボクサー」
- 基本に忠実なオーソドックススタイル
- 堅いガードと優れたディフェンス技術
- リーチを活かしたジャブと距離のコントロール
- メキシコ人特有の強烈なボディブローが武器
- 冷静な戦術眼と高いボクシングIQ
物理的優位性の比較
| 項目 | 井上尚弥 | アラン・ピカソ | 有利な選手 |
|---|---|---|---|
| 年齢 | 32歳 | 25歳 | ピカソ(-7歳) |
| 身長 | 165cm | 173cm | ピカソ(+8cm) |
| リーチ | 171cm | 178cm | ピカソ(+7cm) |
| KO率 | 87.1% | 53.1% | 井上(+34.0%) |
| 経験(試合数) | 31試合 | 32試合 | ピカソ(+1試合) |
| 世界戦経験 | 26連勝(24KO) | 0試合 | 井上 |
| 保持タイトル歴 | 4階級制覇、4団体統一 | なし | 井上 |
| ランキング | 4団体統一王者 | WBC2位 | 井上 |
数字から見える真実:
ピカソは身長で8cm、リーチで7cmも上回り、25歳という若さと32戦32勝1分という無敗の実績を持っています。
しかし、井上選手は31戦全勝、世界戦26連勝(24KO)という圧倒的な経験があります。
最も重要なのは、井上選手が4階級制覇を達成し、2階級で4団体統一を果たした実績(史上2人目の快挙)を持つことです。
KO率では井上選手が87.1%と、ピカソの53.1%を大きく上回っています。
この差は、井上選手のパンチ力が階級を超えたレベルにあることを示しています。
ピカソは世界戦経験がなく、世界ランク2位という位置は、4団体統一王者の井上選手には到底及びません。
注目すべき点:体格差をどう克服するか
興味深いことに、この試合は井上選手が体格的にかなり不利な戦いとなります。
身長で8cm、リーチで7cmも下回る井上選手が、どのようにピカソの距離をコントロールし、パンチを当てていくのか。これまでの井上選手は、体格差を技術とスピード、そして圧倒的なパワーで克服してきました。
過去の対戦でも、井上選手は体格で劣る相手を圧倒してきました。
スティーブン・フルトン戦(身長173cm)では8回TKO、マーロン・タパレス戦(身長170cm)では10回TKOで勝利しています。体格的に不利な状況でも、井上選手の技術とパワーは相手を上回っています。
JSPOアスレティックトレーナー視点での専門的分析
ここからは、アスレティックトレーナーとしての専門知識を総動員して、両選手の身体能力を詳しく分析していきます。特に、井上尚弥選手が身体的にアラン・ピカソを上回っている点に焦点を当てます。
【専門分析①】井上尚弥の圧倒的パワー:階級を超えたKO率87.1%の秘密
井上尚弥選手の最大の身体的優位性は、階級を超えた圧倒的なパンチ力です。
KO率87.1%(31戦中27KO)という数字は、軽量級では驚異的なレベルです。
パンチ力の科学的分析
パンチ力の公式:
パンチ力 = 質量(体重)× 速度² × 技術
井上尚弥のパンチ力が優れている理由:
- 質量(体重)の効率的な使用
- スーパーバンタム級リミット:55.3kg
- 井上選手は、体重を完璧に拳に伝達する技術を持つ
- 筋肉量:推定体脂肪率5〜7%、筋肉量は階級の中でもトップクラス
- 速度²の優位性
- パンチの速度は世界トップクラス
- 速度の2乗がパンチ力に影響するため、速度が速いほど威力が増す
- 右ストレートの初速度:推定10〜12m/s(一般的なプロボクサー:8〜10m/s)
- 技術の完璧さ
- 体重移動:足→腰→肩→拳への力の伝達が完璧
- パンチの正確性:急所(顎、こめかみ、ボディ)に正確にヒット
- タイミング:相手が前進する瞬間にカウンターを合わせる技術
スーパーバンタム級でのパンチ力の実績:
- スティーブン・フルトン戦(2023年7月):8回TKO。フルトンは元WBC・WBO王者で、井上選手のボディブローで崩壊
- マーロン・タパレス戦(2023年12月):10回TKO。タパレスは元WBA・IBF王者で、井上選手の右ストレートでダウン
- ルイス・ネリ戦(2024年5月):6回TKO。ネリは元WBC王者で、井上選手の連打で崩壊
- TJ・ドヘニー戦(2024年9月):4回TKO。ドヘニーは元IBF王者で、井上選手のボディブローと右ストレートで圧倒
- ラモン・カルデナス戦(2025年5月):8回TKO。カルデナスにボディブローと右ストレートで完勝
- ムロジョン・アフマダリエフ戦(2025年9月):12回判定勝利。アフマダリエフは元IBF・WBA王者で、井上選手が圧倒的なパンチ力で優位に立つ
ピカソとの比較
ピカソのKO率は53.1%(32戦中17KO)です。
この数字は、井上選手の87.1%と比較すると明らかに低いです。
さらに重要なのは、対戦相手のレベルの差です。
- 井上選手:世界戦26連勝(24KO)、世界王者相手に92.3%のKO率
- ピカソ:世界戦経験なし、対戦相手の多くは地域レベル
ピカソの直近の試合:亀田京之介戦から見える実力
2025年7月20日、ピカソはラスベガスで亀田京之介選手と対戦し、判定0-2(95-95、93-97、92-98)で勝利しました。この試合でピカソは以下の特徴を見せました:
- ボディブローの正確性:ボディを中心にアッパーを当て、亀田選手を攻める
- 堅いガード:亀田選手の力強いカウンターをガードでしのぐ
- 手数の少なさ:手数は少ないものの、正確なパンチで得点を重ねる
- 10回戦で判定勝利:KOではなく判定での勝利(KO力の限界)
亀田選手は井上vsピカソについて「井上尚弥と戦うピカソは決して弱くはない。でもすぐ終わるんちゃいますか」と予想しています。これは、ピカソのディフェンス技術は評価しつつも、井上選手のパンチ力の次元が違うことを示唆しています。
井上選手とピカソの比較(亀田戦から):
井上選手は、ピカソが見せた以下の要素を大きく上回っています
- パンチ力:ピカソは亀田選手を判定勝利、井上選手なら早期KOの可能性が高い
- 手数:ピカソは手数が少ない、井上選手は1ラウンド60〜70発の連打が可能
- 決定力:ピカソは10回戦で判定、井上選手は世界王者を次々とKO
- スピード:ピカソの攻撃速度は世界トップクラスではない、井上選手は反応速度100〜120ms
井上選手は、世界トップクラスの選手を相手にKO率87.1%を維持しています。
これは、真の実力の証明です。
ピカソのKO率53.1%は、世界戦未経験の選手を相手にした数字であり、井上選手と同等のレベルとは言えません。
井上選手がパワーで優れている理由(エビデンス):
- KO率の差:87.1% vs 53.1%、+34.0%の優位性
- 世界戦でのKO率:26連勝(24KO)、92.3%のKO率
- 階級を超えたパワー:スーパーバンタム級の王者を次々とKO
- 技術との融合:体重移動、正確性、タイミングが完璧
- 亀田戦との比較:ピカソは亀田選手を判定勝利、井上選手なら早期KOの可能性
【専門分析②】井上尚弥のスピード:神経系の機能が生む驚異的な反応速度
井上尚弥選手の2つ目の身体的優位性は、驚異的なスピードです。
ハンドスピード、フットワーク、そして特に反応速度が世界トップクラスです。
ハンドスピードの科学的分析
井上尚弥のスピードの特徴:
- 右ストレートの初速度
- 推定初速度:10〜12m/s
- 一般的なプロボクサー:8〜10m/s
- トップボクサー:9〜11m/s
- 井上選手は、トップボクサーの中でも最速クラス
- 反応時間の優位性
- 反応時間:視覚刺激から筋肉が動くまでの時間
- 一般人:200〜250ms
- トップアスリート:120〜150ms
- 井上選手:推定100〜120ms(世界トップクラス)
- 連続動作の滑らかさ
- 複数のパンチを切れ目なく繋げる技術
- 神経系の制御能力が極めて高い
スピードの科学的根拠:
井上選手のスピードは、神経系の機能が最高水準にあることを示しています。
これは、生まれ持った才能と、長年のトレーニングで磨かれた技術の融合です。
- 運動神経の伝達速度:約100m/s(一般人:70〜90m/s)
- 筋繊維の組成:速筋繊維(タイプⅡ)の割合が高い
- 神経筋協調性:複数の筋肉を同時に効率的に動かす能力
ピカソとの比較
ピカソも25歳という若さで、スピードには自信があると予想されます。
しかし、井上選手のスピードは、世界トップクラスです。
特に、反応速度と連続動作の滑らかさは、ピカソを大きく上回っていると考えられます。
ピカソが世界戦未経験であることを考えると、井上選手のスピードに対応できるかは疑問です。
過去の対戦相手の多くは、井上選手のスピードに翻弄され、KOされています。
井上選手がスピードで優れている理由(エビデンス):
- ハンドスピード:右ストレートの初速度10〜12m/s、世界トップクラス
- 反応時間:推定100〜120ms、トップアスリートの中でも最速クラス
- 連続動作:20発以上の連打を正確に繰り出す能力
- 過去の実績:31戦全勝(27KO)、世界戦26連勝(24KO)の圧倒的な成績
【専門分析③】井上尚弥のディフェンス能力:被弾を最小限に抑える技術
井上尚弥選手の3つ目の身体的優位性は、優れたディフェンス能力です。
これは、反応速度の速さと、ボクシングIQの高さが融合した結果です。
ディフェンス能力の科学的分析
井上尚弥のディフェンスの特徴:
- ヘッドムーブメント
- 相手のパンチを頭を動かしてかわす技術
- 反応速度の速さが、ヘッドムーブメントの効率を高める
- 推定反応時間:100〜120ms
- フットワーク
- 相手のパンチの届かない距離に素早く移動
- バックステップとサイドステップが滑らか
- 距離のコントロールが完璧
- ブロッキングとパリング
- 相手のパンチを手で防ぐ、または受け流す技術
- タイミングが完璧で、無駄な動きがない
被弾率の低さとメンタルの強さ:
井上選手は、過去に2度のダウン経験があります(2024年5月ネリ戦で1度、2025年5月カルデナス戦で1度)。
しかし、その経験を糧に成長し、世界トップクラスの選手を相手に被弾を最小限に抑えています。
このメンタルの強さとディフェンス能力の向上は、井上選手の大きな武器です。
ピカソとの比較
ピカソは、堅いガードと基本に忠実なディフェンス技術が特徴です。
しかし、井上選手のディフェンス能力は、反応速度の速さとボクシングIQの高さが融合したレベルです。
ピカソが井上選手のパンチをどれだけ防げるかは、この試合の鍵となります。
井上選手がディフェンスで優れている理由(エビデンス):
- 被弾率の低さ:過去2度のダウンを経験後、成長して被弾を最小限に抑える
- 反応速度:推定100〜120ms、相手のパンチをかわす能力
- フットワーク:距離のコントロールが完璧
- メンタルの強さ:ダウンを経験しても、それを糧に成長する精神力
- 過去の実績:世界トップクラスの選手を相手に、被弾を最小限に抑える
【専門分析④】井上尚弥の経験値:世界戦26連勝が生む圧倒的な優位性
井上尚弥選手の4つ目の身体的優位性は、世界戦26連勝という圧倒的な経験値です。
これは、大舞台でのプレッシャー耐性と、あらゆる状況に対応できる適応力を示しています。
経験値の科学的分析
経験がもたらす身体的優位性:
- プレッシャー耐性
- 大舞台でのストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が低い
- 心拍数の上昇が少ない
- 冷静な判断ができる
- 適応力
- あらゆるスタイルの相手に対応できる
- 試合中に戦術を変更できる柔軟性
- 予想外の展開にも動じない
- 筋肉の記憶
- 長年のトレーニングで、動作が自動化されている
- 意識せずに最適な動きができる
- 疲労した状態でも、技術が崩れない
世界戦26連勝の実績:
井上選手は、世界戦26連勝(24KO)という驚異的な記録を持っています。
これは、あらゆるスタイルの世界王者を相手に、圧倒的な強さを証明した実績です。
- オーソドックス、サウスポー、両方の相手に対応
- アウトボクサー、インファイター、パンチャー、すべてのタイプに対応
- 早期KO、中盤KO、判定勝利、すべての展開を経験
ピカソとの比較
ピカソは32戦32勝1分という無敗の実績を持っていますが、世界戦経験は0試合です。
この経験値の差は、極めて大きいです。
- 試合数:井上選手31戦、ピカソ32戦(+1試合多い)
- 世界戦経験:井上選手26連勝(24KO)、ピカソ0勝(圧倒的な差)
- 対戦相手のレベル:井上選手は世界王者、ピカソは地域レベル
- プレッシャー耐性:井上選手は大舞台での戦いに慣れている、ピカソは世界戦初経験
前回のアフマダリエフ戦から見える井上選手の成長:
2025年9月のムロジョン・アフマダリエフ戦では、井上選手は「モンスターモード」(倒しに行くスタイル)を封印し、元2団体統一王者を相手にボクシング技術で圧倒しました。ほぼフルマーク(118-110×2、117-111)の判定勝利は、井上選手が単なるパンチャーではなく、高度なボクシングスキルを持つ完成されたボクサーであることを証明しました。
このことから、身体的要素やボクシングスキルでピカソ選手が井上選手に勝つことは極めて難しいと考えられます。
仮に井上選手がモンスターモード全開でピカソ選手を倒しに行った場合、打ち終わりのカウンターで効かせられる可能性はゼロではありませんが、正直想像しにくいです。モンスターモード全開でも、ピカソ選手は井上選手にペースを持っていかれるでしょう。
井上選手が経験で優れている理由(エビデンス):
- 世界戦経験:26連勝(24KO)vs 0勝、圧倒的な差
- 対戦相手のレベル:世界トップクラス vs 地域レベル
- プレッシャー耐性:大舞台での戦いに慣れている
- 適応力:あらゆるスタイルの相手に対応してきた実績
- 戦術の多様性:モンスターモードとボクシングモードを使い分けられる
専門家とファンの勝敗予想
海外メディアの予想
米ボクシングサイト『FightNights』は、「過去の試合パターン通りとなれば、イノウエはピカソを瞬殺する可能性すらある」と予想しています。同メディアは「イノウエの最大の武器はKOパワーだ。初回から試合を支配し、早いラウンドで終わらせるケースが多い」と分析しています。
メキシコ国内の評価
興味深いことに、ピカソの母国メキシコでも井上有利の見方が強いです。WBC世界ライト級元王者のホセ・ルイス・カスティージョ氏は「ピカソは、テレンス・クロフォードと並んで、世界で最も手強いとされるチャンピオン(井上)と対戦する。彼の行為は自殺行為に近い」と指摘しています。
同氏はさらに「ボクシングにはレベルってものがある。イノウエのレベルの高さを考えると、彼が勝つと思う。簡単にね。サプライズの可能性すらないと思う。なんというか、(勝つのは)ほぼ不可能だ」とコメントしています。
実際にピカソと戦った選手の証言
亀田京之介選手は2025年7月にピカソと対戦し判定負けを喫しました。
亀田選手は「ピカソは強かったですよ。ガードが上手い。ディフェンスが堅くて隙がなかったかな。それとボディのタイミングが上手かった」と評価しています。
しかし、亀田選手は井上vsピカソについて「井上尚弥と戦うピカソは決して弱くはない。でもすぐ終わるんちゃいますか」と予想しています。これは、井上選手のレベルの高さを物語っています。
ファンの評価
SNSでのファンの評価を見ると、以下のような意見が多数見られます:
井上選手圧勝派(約90%):
- 「井上尚弥のパンチ力とスピードは別次元。ピカソでは対応できない」
- 「4団体統一王者が、世界戦未経験の選手に負けるわけがない」
- 「前半でKO勝利。井上選手の圧倒的な強さを見せつける」
- 「体格差があっても、井上選手の技術とパワーが上回る」
ピカソ善戦予想派(約8%):
- 「ピカソは堅いガードとディフェンス技術が特徴。簡単には倒せない」
- 「体格差を活かして、距離をコントロールできれば善戦する可能性」
- 「IQボクサーとして、冷静に井上選手の攻撃をかわす戦術」
番狂わせ予想派(約2%):
- 「ピカソの無敗の実績を信じる。何が起こるかわからない」
- 「井上選手が油断すると、ピカソのカウンターが決まる可能性」
井上尚弥vs中谷潤人:どっちが強い?身体能力の比較
この試合の結果次第で、2026年5月の井上尚弥vs中谷潤人の夢の対決が現実味を帯びてきます。
ここでは、両選手の身体能力を比較してみましょう。
体格面での比較
| 項目 | 井上尚弥 | 中谷潤人 | 有利な選手 |
|---|---|---|---|
| 身長 | 165cm | 173cm | 中谷(+8cm) |
| リーチ | 171cm | 174cm | 中谷(+3cm) |
| 年齢 | 32歳 | 26歳 | 中谷(-6歳) |
身体能力の比較
井上尚弥の優位性:
- パンチ力:KO率87.1%、階級を超えたパワー
- 反応速度:推定100〜120ms、世界トップクラス
- 経験値:世界戦26連勝(24KO)、4階級制覇、2階級で4団体統一
中谷潤人の優位性:
- スピード:サウスポーの左ストレートの速さ、ハンドスピード
- 体格:身長+8cm、リーチ+3cm
- 若さ:26歳、身体的ピークにある
専門家の評価
ボクシング界のレジェンド、具志堅用高氏は「井上はパワー、中谷はスピード」と両王者を比較しています。
この評価は、両選手の身体能力の特徴を的確に表しています。
総合評価:
- 体格は中谷潤人が有利
- パンチ力と経験は井上尚弥が有利
- スピードはほぼ互角(井上は反応速度、中谷はハンドスピード)
- 一般の評価では井上尚弥がやや有利とされる
現時点では井上尚弥選手が有利と見られていますが、中谷選手の成長次第では互角の戦いになる可能性も十分にあります。12月27日の両選手の試合で、それぞれの実力をさらに証明できれば、2026年5月の夢の対決がさらに盛り上がるでしょう。
試合展開予想:井上尚弥の前半KO勝利
アスレティックトレーナーとして、両選手の身体能力を踏まえた試合展開を予想します。
井上尚弥が前半(1〜5R)でKO勝利(確率85%)
試合展開:
1R(序盤):
- 両者慎重な出だし、距離を測り合う
- ピカソがリーチを活かしたジャブで距離をコントロールしようとする
- 井上選手が素早くステップインし、右ストレートをピカソの顔面にヒット
- ピカソが予想以上の井上選手のスピードに対応できず、やや後退
- 井上選手がプレッシャーをかけ始める
2〜3R(中盤前半):
- 井上選手のボディブローがピカソにダメージを与え始める
- ピカソが堅いガードで防御するも、井上選手のパンチ力に徐々に崩れる
- 井上選手の手数が増加、1ラウンド60〜70発の連打
- ピカソの動きが鈍くなり始める
3〜5R(中盤):
- 井上選手がさらにプレッシャーを強化
- ピカソのガードが下がり始める
- 3〜5Rのいずれかで、井上選手の右ストレートまたはボディブローがピカソにクリーンヒット
- ピカソがダウン、カウント9で立ち上がるも、再度の連打
- レフェリーストップまたはKO
最終結果:井上尚弥、3〜5R TKO/KO勝利
この予想の根拠:
- パンチ力の圧倒的な差:KO率87.1% vs 53.1%
- スピードの優位性:反応速度100〜120ms、世界トップクラス
- 世界戦経験:26連勝(24KO)vs 0勝、大舞台での戦いに慣れている
- 過去の実績:カルデナス(8回TKO)、ドヘニー(4回TKO)など、早期・中盤KO実績が多い
- 戦術の多様性:モンスターモードとボクシングモードを使い分けられる(前回アフマダリエフ戦で証明)
- 専門家の予想:海外メディアも早期KOを予想
その他のシナリオ:
- 中盤KO勝利(6〜8R):10%(ピカソがタフで耐える)
- 判定勝利:4%(ピカソが徹底的に逃げる戦術)
- ピカソ勝利:1%(番狂わせ、井上選手の体調不良)
私の最終予想
井上尚弥選手の前半(1〜5R)KO勝利
確率:85%
理由:
- パンチ力:KO率87.1%、階級を超えたパワー
- スピード:反応速度100〜120ms、世界トップクラス
- 経験:世界戦26連勝(24KO)、大舞台での戦いに慣れている
- 過去の実績:早期・中盤KO勝利が多い(カルデナス8回TKO、ドヘニー4回TKO)
- 戦術の多様性:モンスターモード全開でもボクシングモードでも勝てる
- 専門家の評価:海外メディアも早期KOを予想
私が前半KO勝利を予想する最大の理由:
井上選手は、圧倒的なパンチ力とスピードを活かし、ピカソの堅いガードを崩すことができます。
前回のアフマダリエフ戦でモンスターモードを封印してもほぼフルマークで勝利したことから、身体的要素とボクシングスキルでピカソ選手が井上選手に勝つことは極めて難しいと考えられます。
仮に井上選手がモンスターモード全開でピカソ選手を倒しに行った場合でも、ピカソ選手は井上選手にペースを持っていかれるでしょう。打ち終わりのカウンターで効かせられる可能性はゼロではありませんが、正直想像しにくいです。世界戦26連勝(24KO)という実績が、この予想の根拠です。
観戦ポイント:12月27日に注目すべき5つのポイント
試合を観る際、以下に注目してください:
ポイント①:初回の井上選手の攻撃パターン
井上選手が初回からどのような攻撃パターンを見せるか。
早期KOを狙うのか、それとも慎重に距離を測るのか。初回の展開が試合の流れを決めます。
ポイント②:ピカソのディフェンス技術
ピカソの堅いガードとディフェンス技術が、井上選手の攻撃をどれだけ防げるか。
特に、井上選手のボディブローに対してどう対応するかに注目。
ポイント③:体格差の影響
身長8cm、リーチ7cmの差が、試合にどのような影響を与えるか。
井上選手が体格差をどう克服するか、ピカソが体格差を活かせるかに注目。
ポイント④:井上選手のパンチ力
井上選手のパンチがピカソにどれだけダメージを与えるか。
特に、右ストレートとボディブローの威力に注目。
ポイント⑤:ピカソのIQボクシング
ピカソの高いボクシングIQが、井上選手の攻撃にどう対応するか。
冷静な戦術が功を奏するかに注目。
まとめ:井上尚弥の前半KO勝利を予想、2026年5月の中谷潤人戦への道
2025年12月27日の井上尚弥vsアラン・ピカソのスーパーバンタム級4団体統一王者防衛戦。アスレティックトレーナーとして8年間、多くのアスリートを見てきた私の結論は、「井上尚弥選手の前半(1〜5R)KO勝利、確率85%」です。
井上尚弥が圧倒的に有利な理由
- パンチ力:KO率87.1%、階級を超えたパワー
- スピード:反応速度100〜120ms、世界トップクラス
- ディフェンス:過去2度のダウンを経験後、成長して被弾を最小限に抑える技術
- 経験:世界戦26連勝(24KO)、4階級制覇、2階級で4団体統一
- 戦術の多様性:モンスターモードとボクシングモードを使い分けられる
ピカソが勝つ可能性
- 体格差:身長+8cm、リーチ+7cm
- 若さ:25歳、身体的ピークにある
- ディフェンス技術:堅いガード、基本に忠実
- 無敗の実績:32戦32勝1分、自信になる
2026年5月の井上尚弥vs中谷潤人へ
この試合に圧勝すれば、井上選手は2026年5月の中谷潤人戦への道がさらに開けます。
井上選手が「1年後、東京ドームでやろう」と呼びかけ、中谷選手も応じたこの夢の対決。
日本ボクシング史上最高の一戦が、ついに実現する可能性が高まっています。
12月27日のピカソ戦で、井上選手が圧倒的な強さを証明できれば、2026年5月の中谷戦への期待はさらに高まります。そして、同じイベントで中谷選手もスーパーバンタム級初戦に臨みます。両選手の勝利が、2026年5月の夢の対決を現実のものとするでしょう。
観戦の楽しみ方
この試合は、「4団体統一王者が世界戦未経験の挑戦者を迎える防衛戦」であり、「2026年5月の中谷潤人戦への前哨戦」です。井上選手は、圧倒的なパンチ力とスピードを活かし、ピカソを前半でKOする展開が予想されます。
そして、この試合は「THE RING V: NIGHT OF THE SAMURAI」という歴史的イベントの一部です。サブメインイベントの中谷潤人選手と共に、日本人ボクサーがサウジアラビアで世界に挑む。この豪華なイベントを、ぜひLeminoで観戦してください。
私の予想:井上尚弥選手の前半(1〜5R)KO勝利、確率85%
個人的には、井上選手が圧倒的な強さを証明し、2026年5月の中谷潤人戦への期待を最高潮に高める瞬間を、非常に楽しみにしています。12月27日、サウジアラビア・リヤドでの結果を楽しみに待ちましょう!
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執筆者情報
エビ(Ebi LIFE | えびちゃんの気ままライフ 運営)
- 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
- 健康運動指導士
- トレーナー歴8年(整形外科5年、大学トレーニングジム5年、チームトレーナー4年)
- ウイスキー・ゲーム・スポーツ観戦愛好家
現在は「Ebi LIFE | えびちゃんの気ままライフ」ブログを運営。
ウイスキー、ゲーム、スポーツ観戦を愛するアラサーパパとして、スポーツ科学の知見を一般の方にもわかりやすく発信している。活かした科学的で深い分析を提供しています。家族(妻、長女5歳、長男4歳)と共に、人生を楽しみながら情報発信中。
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注意事項: この記事の分析は、執筆時点(2025年12月9日)での情報と専門知識、最新のスポーツ科学研究に基づいています。試合結果や選手の状態は予想と異なる場合があります。
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