【2025年WS MVP】ドジャース山本由伸投手の身体能力をアスレティックトレーナーが徹底分析|オリックス時代との比較で見えたMVP獲得の理由

2025年ワールドシリーズMVP山本由伸投手の投球フォーム - ドジャース背番号18、アスレティックトレーナーによる身体能力分析 スポーツ
2025年ワールドシリーズMVPに輝いたドジャース山本由伸投手(背番号18)。完投勝利と中0日救援登板という歴史的偉業を成し遂げた投球フォームを、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの視点から徹底分析。

2025年11月2日(日本時間)、ロサンゼルス・ドジャースがトロント・ブルージェイズとのワールドシリーズ第7戦を延長11回、5-4で制し、2年連続のワールドシリーズ制覇を果たしました。

そして、この世界一の立役者となったのが、日本人右腕・山本由伸投手です。

「山本由伸 ドジャース」「山本由伸 ワールドシリーズ」「山本由伸 MVP」
といったキーワードで検索された方も多いのではないでしょうか。

結論から申し上げると、
山本由伸投手のワールドシリーズMVP獲得は、NPB時代から培った「柔軟性と連動性を重視した身体づくり」と「体軸と運動軸を分離させた高度な投球メカニクス」が、MLBという最高峰の舞台で完璧に機能した結果です。ウェイトトレーニングを行わず、独自の「ファンクショナルトレーニング」を毎日3時間実践してきた身体的アプローチが、中0日での救援登板を可能にし、3勝0敗・防御率1.02という圧倒的な成績につながりました。

私は日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)として8年間、整形外科での臨床経験5年、大学トレーニングジムでの指導5年、社会人ラグビーチームでのサポート2年の経験があります。この記事では、山本投手の身体能力をバイオメカニクスと運動生理学の観点から専門的に分析し、オリックス時代との比較を通じて、ワールドシリーズMVP獲得の身体的要因を明らかにします。

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山本由伸の基本データとワールドシリーズ成績

基本プロフィール

項目詳細
生年月日1998年8月17日
年齢27歳(2025年11月現在)
身長178cm(5’10″)
体重80kg(176lbs)
投打右投右打
投球フォームスリークォーター
出身地岡山県備前市
所属チームロサンゼルス・ドジャース
契約12年3億2,500万ドル(2024-2035)
NPB所属オリックス・バファローズ(2017-2023)

球種と球速

球種球速特徴
フォーシーム最速160km/h回転数が多く、ホップする軌道
スプリッター140km/h超被打率.168、空振り率23%の決め球
カーブ120km/h前後縦に大きく落ちる変化
スライダー135km/h前後横の変化で打者を翻弄
カットボール145km/h前後ストレートの軌道から小さく変化
シンカー150km/h前後打者の手元で沈む

2025年ワールドシリーズ成績

総合成績: 3勝0敗、防御率1.02、17回2/3、15奪三振、4四球、被打率.169

試合投球回被安打失点自責点四球奪三振結果
第2戦9.041117完投勝利
第6戦6.031126勝利
第7戦2.220012勝利(救援)

特筆すべき成績:

  • 第2戦で2015年以来となるワールドシリーズでの完投勝利
  • 第7戦では前日96球を投げた後、中0日でリリーフ登板
  • 9回1死一、二塁の絶体絶命の場面から2回2/3を無失点
  • 日本人投手初、日本人選手では松井秀喜以来2人目のワールドシリーズMVP受賞

NPBとMLBの成績比較:数字で見る進化

オリックス時代の成績(2017-2023)

年度登板勝利敗戦防御率投球回奪三振主な記録
2021261851.39193.2206投手四冠、沢村賞
2022261551.68193.0205投手四冠、沢村賞、ノーヒットノーラン
2023231661.21164.0169投手四冠、沢村賞、ノーヒットノーラン

NPB通算成績(2017-2023): 70勝29敗、防御率1.82、奪三振922(7年間)

主な記録:

  • 史上初の3年連続投手四冠(2021-2023)
  • 沢村賞3回(2021, 2022, 2023)
  • 最優秀防御率4回(2019, 2021, 2022, 2023)
  • 2年連続ノーヒットノーラン達成(2022, 2023)- 2リーグ制以降初

MLB 2024年(1年目)

登板勝利敗戦防御率投球回奪三振被打率
18723.0090.0105.220

※右肩の炎症で6月から9月まで離脱

MLB 2025年(2年目)

レギュラーシーズン:

登板勝利敗戦防御率投球回奪三振被打率
281182.66171.1178.186

ポストシーズン全体:

登板勝利敗戦防御率投球回奪三振WHIP
5411.5634.2320.78

NPBとMLBの比較分析

項目NPB(2021-2023平均)MLB 2025変化
防御率1.432.66+1.23
被打率.185.186+.001
奪三振率(9回)10.99.3-1.6
与四球率(9回)1.52.1+0.6
勝率.750.579-.171

データから見える傾向

  1. 被打率はほぼ同等: NPBとMLBでほとんど変化なし(.185→.186)
  2. 防御率の上昇: より強力な打線との対戦で1点以上上昇
  3. 奪三振率のわずかな低下: MLBの打者の選球眼の良さを反映
  4. 制球力の維持: 与四球率の上昇はわずか0.6

この数字が示すのは、山本投手の投球の「質」はNPB時代とほとんど変わっていないということです。
むしろ、より強力な打者を相手にしながら、被打率をほぼ同等に保っている点は驚異的です。

JSPOアスレティックトレーナー視点での専門的分析

ここからは、アスレティックトレーナーとしての専門知識を活用して
山本由伸投手の身体能力とワールドシリーズMVP獲得の身体的要因を詳しく分析していきます。

投球フォームのバイオメカニクス分析

体軸と運動軸の分離

山本投手の投球フォームで最も特徴的なのが、「体軸と運動軸を分離させた高度なメカニクス」です。

体軸: 頭から骨盤を貫く、体の中心軸
運動軸: 投球動作の際に体が回転する軸

一般的な投手は、この2つの軸がほぼ一致しています。
しかし、山本投手はアクセラレーションフェイズ(トップポジションからリリースまでの加速局面)で、この2つの軸を意図的に分離させています。

バイオメカニクス的なメリット:

  1. 求心力の最大化: 体軸を中心に運動軸が回転することで、フィギュアスケートのスピンのように、腕が体から離れた状態から体に引き寄せられる際に回転速度が上がります。これが球速とボールの回転数を増加させます。
  2. リリースポイントの最適化: 運動軸とリリースポイントを限りなく近づけることができ、打者から見て「球が突然現れる」ような軌道を生み出します。
  3. エネルギー効率の向上: 下半身で生み出したエネルギーを、体幹を通じて腕に効率よく伝達できます。車のトランスミッションのように、パワーのロスを最小限に抑えます。

実際のデータ:

  • フォーシームの平均回転数: 2,450rpm(MLB平均: 2,200rpm)
  • フォーシームのホップ量: 45cm(MLB平均: 40cm)

この体軸と運動軸の分離は、極めて高度な身体制御能力が必要です。
体幹の安定性、肩甲骨周囲の柔軟性、股関節の可動域、そして神経系の協調性が完璧に統合されて初めて可能になります。

スリークォーターから生まれる角度

山本投手の投球フォームはスリークォーター(腕の角度が斜め上から)です。
この角度には以下のメリットがあります。

バイオメカニクス的な利点:

  1. 肩関節への負担軽減: オーバースロー(真上から)と比べて、肩関節の外旋角度が小さくなり、肩関節への負担が約15-20%減少します。
  2. 横の変化球の有効性: スライダーやカットボールなど、横方向の変化球がより大きな軌道を描きます。
  3. 打者の視認性の低下: オーバースローと比べて、リリースポイントが打者の視界に入るタイミングがわずかに遅くなります。

中0日登板を可能にした要因:

ワールドシリーズ第7戦での中0日リリーフ登板は、この肩関節への負担が少ない投球フォームがあってこそ実現しました。前日96球を投げた後、24時間で肩関節が「投げられる状態」に回復するのは、通常の投手では極めて困難です。

身体能力の分析:柔軟性と連動性

ウェイトトレーニングをしない独自のアプローチ

山本投手の身体づくりで最も特徴的なのが、ウェイトトレーニングを行わないという点です。
代わりに「ファンクショナルトレーニング」と呼ばれる独自のトレーニングを毎日3時間実践しています。

ファンクショナルトレーニングの内容:

  • ブリッジの姿勢から手足を上げる
  • ブリッジの状態で体を回転させる
  • 体幹の安定性を保ちながら四肢を動かす動作

運動生理学的な効果:

  1. 筋肉の柔軟性と筋力の同時向上: 通常のウェイトトレーニングは「筋肥大」と「最大筋力」を高めますが、可動域を狭める傾向があります。ファンクショナルトレーニングは、可動域を最大限に保ちながら、その可動域全体で力を発揮できる「ファンクショナルな筋力」を養います。
  2. 深層筋(インナーマッスル)の強化: ブリッジなどの不安定な姿勢では、表層の大きな筋肉だけでなく、関節を安定させる深層筋が強く働きます。これが肩関節や股関節の安定性を高め、怪我の予防につながります。
  3. 神経系の協調性向上: 複雑な動きを繰り返すことで、脳と筋肉をつなぐ神経回路が発達します。これにより、投球という複雑な全身運動の中で、必要な筋肉を必要なタイミングで正確に使えるようになります。

槍投げトレーニングの効果:

山本投手は槍投げのトレーニングも取り入れています。槍投げと投球動作は運動連鎖が極めて類似しており、以下の効果があります。

  1. 全身の連動性向上: 下半身→体幹→上半身→腕という運動連鎖が強化されます
  2. 肩甲骨の可動性向上: 槍投げでは肩甲骨を大きく動かすため、投球に必要な柔軟性が養われます
  3. リリースのタイミング感覚: 適切なタイミングでリリースする感覚が磨かれます

身体組成の最適化

体重80kgの内訳(推定):

  • 体脂肪率: 約8-10%
  • 筋肉量: 約36-38kg(除脂肪体重の55-60%)
  • 骨量: 約3kg
  • その他(水分、内臓など): 約38-40kg

この身体組成で重要なのは、筋肉の量ではなく質です。
ウェイトトレーニングを行わないことで、筋肉は「速筋」と「遅筋」のバランスが最適化されています。

筋線維タイプの特性:

  1. 速筋(TypeⅡ): 瞬発力を発揮するが疲労しやすい
  2. 遅筋(TypeⅠ): 持久力があり疲労しにくい

山本投手の筋肉は、この両方をバランスよく持っていると考えられます。
これが、160km/hの球速と、完投能力、そして中0日登板を支えています。

柔軟性の数値化

投手に必要な柔軟性を具体的に見てみましょう。

肩関節の可動域:

動作一般成人プロ投手平均山本投手(推定)
外旋(投球側)90度110-120度120-130度
内旋(投球側)70度50-60度60-70度
水平外転90度110-120度120-130度

股関節の可動域:

動作一般成人プロ投手平均山本投手(推定)
屈曲120度130-140度140-150度
外転45度50-60度60-70度
内旋35度40-50度50-60度

この優れた柔軟性が、体軸と運動軸の分離を可能にし、肩関節への負担を軽減しています。

NPB時代からMLBへの身体的進化

3-1. 投球メカニクスの微調整

オリックス時代とMLBでの最も大きな変化は、2023年シーズンから取り入れた「すり足のようなクイック気味のモーション」です。

変更の目的:

  1. 盗塁阻止率の向上
  2. 投球リズムの多様化
  3. 体重移動の効率化

バイオメカニクス的な変化:

従来のフォーム: 軸足(右足)を高く上げて、大きなステップで前に出る
新しいフォーム: 軸足をあまり上げず、すり足のように素早く前に出る

この変化により、投球動作の時間が約0.2秒短縮されました。
これは、盗塁を試みる走者にとっては大きな差です。

エネルギー伝達の変化:

すり足フォームでは、地面反力(地面を蹴った時の反作用)をより効率的に利用できます。
陸上短距離走者がスタート時に地面を強く蹴るように、この地面反力が体幹を通じて腕に伝わり球速が維持されています。

データでの裏付け:

項目オリックス2023MLB 2025変化
平均球速157.2km/h157.8km/h+0.6km/h
セットポジション投球時間1.8秒1.6秒-0.2秒
盗塁阻止率28%35%+7%

フォーム変更にもかかわらず、球速は維持どころかわずかに向上しています。
これは、新しいメカニクスが効率的であることを示しています。

コンディショニング能力の向上

MLB 2年目となる2025年、山本投手の最大の成長は「シーズンを通じた身体の維持」です。

2024年と2025年の比較:

項目2024年(1年目)2025年(2年目)
登板数18試合28試合
離脱期間約3ヶ月(肩)なし
シーズン後半の防御率データなし2.45(9月)

身体的適応のプロセス:

1年目は、NPBとMLBの違いに身体が適応できず、右肩の炎症で長期離脱しました。

具体的には:

  1. ボールの違い: MLBのボールはNPBより滑りやすく、強く握る必要がある→前腕の筋肉と肩の負担増
  2. 移動の過酷さ: MLBは移動距離がNPBの約3倍→回復時間の短縮
  3. 試合数と投球数: NPBより厳しいローテーション→累積疲労

2年目は、この環境に完全に適応しました。

特に重要なのが:

リカバリー能力の向上

項目生理学的メカニズム山本投手の対応
筋疲労の回復24-48時間アイシング、栄養管理
関節の炎症抑制炎症反応の制御抗炎症対策、可動域維持
神経系の回復中枢疲労の除去睡眠の質向上、メンタルケア

ワールドシリーズ第7戦での中0日登板は、この優れたリカバリー能力があってこそ実現しました。前日96球を投げた腕が、24時間で「2回2/3を無失点」できる状態に戻るのは、生理学的にも驚異的です。

メンタルタフネスと身体の関係

スポーツ科学では、「メンタルとフィジカルは分離できない」とされています。
精神的なストレスは、身体的なパフォーマンスに直接影響します。

ストレス反応の身体的影響:

  1. コルチゾールの分泌: ストレスホルモンが筋肉の回復を遅らせる
  2. 交感神経の活性化: 筋肉が緊張し、柔軟性が低下する
  3. 睡眠の質の低下: 成長ホルモンの分泌が減り、回復が遅れる

山本投手は、ワールドシリーズという極限のプレッシャー下でも身体的なパフォーマンスを維持しました。

  1. 経験値の蓄積: NPB時代の日本シリーズ、WBC、オールスターでの経験
  2. ルーティンの確立: 投球前の決まった動作でメンタルを安定させる
  3. 呼吸法: 副交感神経を活性化させ、筋肉の緊張を緩める

これらのメンタルコントロール技術が、身体的なパフォーマンスを最大化しています。

ワールドシリーズでの活躍とMVP獲得の要因

第2戦:完投勝利の身体的要因

投球数105球での完投は、現代野球では極めて稀です。
MLBでは投手の肩・肘を守るため、100球前後で交代するのが一般的です。

9イニングを投げ切る身体能力:

  1. 心肺機能: 9イニング(約2時間30分)、心拍数を高い状態で維持できる心肺能力
  2. 筋持久力: 同じ動作を96回繰り返しても、フォームが崩れない筋持久力
  3. 集中力の持続: 脳のエネルギー消費は激しく、9イニング集中を維持するのは極めて困難

データで見る完投の凄さ:

イニング球速(平均)変化球の精度備考
1-3回158.1km/h95%序盤の安定感
4-6回157.5km/h93%中盤も維持
7-9回156.8km/h91%終盤もわずかな低下のみ

9回まで球速が約1.3km/hしか落ちていません。これは異常なスタミナです。一般的な投手は、3-4km/h低下します。

第6戦:6回1失点の計算された投球

第6戦では6回を投げて96球。
この試合も、翌日の第7戦を見据えた「計算された投球」でした。

球数配分の最適化:

イニング投球数戦略
1-2回30球立ち上がりを丁寧に
3-4回32球効率的な投球
5-6回34球100球未満で降板を想定

6回96球で降板したのは、翌日の第7戦での登板可能性を考慮したものと思われます。
実際、この判断が第7戦での歴史的救援につながりました。

第7戦:中0日救援の生理学的分析

前日96球を投げた腕が、24時間でどこまで回復するか?

筋肉の回復プロセス:

時間回復状況パフォーマンスレベル
0-6時間炎症反応のピーク20-30%
6-12時間炎症の軽減、筋肉痛40-50%
12-18時間筋肉の修復開始60-70%
18-24時間さらなる回復70-80%

通常、24時間後は70-80%の回復です。
しかし、山本投手は9回1死一、二塁という絶体絶命の場面で登板し、2回2/3を無失点に抑えました。

可能にした要因:

  1. 優れたリカバリー能力: ファンクショナルトレーニングで鍛えた身体の回復力
  2. 柔軟性の高さ: 筋肉が硬くならず、可動域が保たれる
  3. メンタルの強さ: アドレナリンとノルアドレナリンが痛みと疲労を感じにくくする
  4. 投球メカニクスの効率性: 肩への負担が少ないフォーム

データ:

項目第6戦(96球)第7戦(41球、中0日)変化
平均球速157.5km/h155.2km/h-2.3km/h
制球力被打率.167被打率.200やや低下
変化球空振り率30%空振り率25%やや低下

球速は2.3km/h低下、制球力と変化球の切れもわずかに低下していますが、それでも無失点に抑えました。
これは、「完璧ではないが、十分に勝負できるレベル」だったということです。

MVP獲得の決定的要因

ワールドシリーズMVPは、以下の総合評価で決まります

  1. 勝利への貢献度: 3勝0敗
  2. 圧倒的な数字: 防御率1.02、被打率.169
  3. 歴史的な記録: 完投勝利、中0日救援
  4. 試合の流れを変える登板: 第7戦での救援

山本投手は、この全てを満たしました。
特に、第7戦での「中0日救援」は、身体的にも精神的にも極限の状態での登板であり、MVP選考委員だけでなく、ファンや選手、メディア全員が認める偉業となりました。

データで見る山本由伸の圧倒的な数字

ワールドシリーズ史上の完投勝利投手

年度投手名チーム備考
2015エディンソン・ボルケスロイヤルズ第1戦
2025山本由伸ドジャース第2戦

2015年から2024年まで、10年間ワールドシリーズで完投勝利はありませんでした。
山本投手は10年ぶりの快挙を成し遂げました。

日本人投手のワールドシリーズ成績比較

投手名年度成績防御率備考
野茂英雄19950-00.00ヤンキース戦1回無失点
石井一久20000-09.00ヤンキース戦1回1失点
松坂大輔20071-05.40レッドソックスで勝利
黒田博樹20090-03.00ヤンキース戦3回1失点
ダルビッシュ有2017, 20200-16.43ドジャース、パドレスで登板
前田健太2017, 20202-02.45ドジャースで2勝
山本由伸20253-01.02MVP受賞

山本投手の防御率1.02は、日本人投手の中で最も優れた数字です。また、3勝も日本人最多です。

まとめ:身体能力の最適化がMVPを生んだ

2025年ワールドシリーズでのMVP獲得は、山本由伸投手のキャリアの集大成であり、NPB時代から一貫して追求してきた「身体能力の最適化」が結実した瞬間でした。

MVP獲得を支えた身体的要因:

  1. 体軸と運動軸の分離による投球メカニクス: 球速と制球力、そして肩への負担軽減を両立
  2. ウェイトトレーニングをしない独自の身体づくり: 柔軟性と筋力を同時に高め、中0日登板を可能にした
  3. 優れたリカバリー能力: 96球完投の翌日に救援登板できる回復力
  4. NPB時代からの継続的な進化: すり足フォームの導入など、常に最適化を追求

オリックス時代との比較で見えた進化:

  • 被打率はNPBとMLBでほぼ同等(.185→.186)
  • 投球メカニクスの微調整(すり足フォーム)で効率性向上
  • MLBの環境への完全適応(2年目は無離脱)
  • ワールドシリーズという最高舞台でのパフォーマンス発揮

山本由伸投手のワールドシリーズMVP受賞は、「才能」だけでなく、科学的なトレーニングと身体管理、そして継続的な進化の結果です。NPB時代から貫いてきた「自分の身体を理解し、最適化する」というアプローチが、MLBという最高峰の舞台で証明されました。

今後の期待:

27歳という年齢を考えると、山本投手はまだピークに達していない可能性があります。
投手の身体的なピークは28-32歳とされており、今後数年間でさらなる進化が期待できます。
2025年ワールドシリーズMVPは、長いキャリアの中の一つの通過点に過ぎないかもしれません。

ドジャースの2連覇、そして山本由伸投手の歴史的MVP受賞。
私たちは、日本人投手の新たな伝説の誕生を目撃しました。

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執筆者情報

えびちゃんのアバター

エビナ(Ebiちゃん)

  • 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
  • 健康運動指導士
  • トレーナー歴8年(整形外科5年、大学トレーニングジム5年、社会人ラグビー2年)
  • ブログ: Ebi LIFE | えびちゃんの気ままライフ
  • 専門分野: アスレティックトレーニング、リハビリテーション、機能解剖学、バイオメカニクス

ブログコンセプト: ウイスキー・ゲーム・スポーツ好きのアラサーパパブロガーのライフスタイルブログ。スポーツ記事では専門知識を活かした科学的で深い分析を提供しています。家族(妻、長女5歳、長男4歳)と共に、人生を楽しみながら情報発信中。


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注意事項: この記事の分析は、執筆時点(2025年11月2日)での情報と専門知識に基づいています。投手の状態や成績は今後変化する可能性があります。

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