2025年12月27日、サウジアラビア・リヤドで開催される「THE RING V: NIGHT OF THE SAMURAI（ナイト・オブ・ザ・サムライ）」。メインイベントの井上尚弥選手に注目が集まる中、前座カードにも日本ボクシング界の次世代を担う若手ホープが登場します。
堤麗斗選手（23歳、アマ9冠）と今永虎雅選手（26歳、アマ10冠）。
ともに日本ボクシング史上屈指のアマチュア実績を持つ逸材が、世界の舞台でステップアップをかけた戦いに臨みます。
堤選手はレオバルド・キンタナ（23歳、メキシコ）との一戦で、アマチュア実績とスピードで優位に立つものの、プロ経験ではキンタナが上回ります。
私の予想は堤選手のKO勝利、確率65%です。
一方、今永選手が対戦するアルマンド・マルティネス（30歳、キューバ、WBA世界ランク3位）は、KO率88.2%の驚異的なパンチ力を持つ強敵です。ライト級は日本人選手にとって鬼門とされる階級で、過去にも多くの選手が世界の壁に阻まれてきました。ただ、今永選手には身長・リーチの優位性とアマ10冠の技術があります。簡単な試合ではありませんが、今永選手ならやってくれるのではないか。
私の予想は今永選手の判定勝利、確率50%です。
私は日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー（JSPO-AT）として8年間、整形外科での臨床経験5年、大学トレーニングジムでの指導5年、社会人ラグビーチームでのサポート2年の経験があります。この記事では、両試合の選手たちの身体能力を専門的に分析し、12月27日の試合展開を予想します。
このイベントでは、メインイベントの井上尚弥選手やサブメインの中谷潤人選手も出場します。
前回の記事で井上尚弥選手と中谷潤人選手の試合を分析しましたが、今回は前座カードとして注目される堤麗斗選手と今永虎雅選手の2試合を徹底分析します。
THE RING V: NIGHT OF THE SAMURAI 試合基本情報
開催日時: 2025年12月27日（土）
会場: モハメド・アブド・アリーナ、リヤド、サウジアラビア
配信: Leminoで独占ライブ配信（日本）、DAZN（日本以外）
料金: Lemino PPV 4,950円
豪華カード全6試合
このイベントは、サウジアラビアと日本の国交樹立70周年を記念して開催される歴史的な大会です。
メインイベント:
- 井上尚弥 vs アラン・ピカソ（スーパーバンタム級4団体統一王者防衛戦）
サブメインイベント:
- 中谷潤人 vs セバスチャン・エルナンデス（スーパーフライ級12回戦）
注目の前座カード:
- 堤駿斗 vs ジェームス・ディケンズ（WBAスーパーフェザー級暫定タイトルマッチ）
- 寺地拳四朗 vs ウィリバルド・ガルシア（IBFスーパーフライ級防衛戦）
- 今永虎雅 vs アルマンド・マルティネス（ライト級8回戦）
- 堤麗斗 vs レオバルド・キンタナ（フェザー級8回戦）
今回の記事で分析する2試合の位置づけ
この2試合は、日本ボクシング界の次世代を担う若手ホープが世界の舞台で実力を証明する重要な一戦です。
堤麗斗選手はアマチュア9冠、今永虎雅選手はアマチュア10冠（ボクシング史上初の高校8冠）という、日本ボクシング史上屈指のアマチュア実績を持つ逸材です。両選手とも、この試合で勝利すれば、今後の世界挑戦への大きなステップとなります。
堤麗斗vsレオバルド・キンタナ 試合情報
試合概要
階級: フェザー級（57.2kg）
ラウンド数: 8回戦
試合形式: ランキング対決
堤麗斗（つつみ れいと）- 日本
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 生年月日 | 2002年8月26日 |
| 年齢 | 23歳（試合時） |
| 身長 | 165cm |
| リーチ | 推定165-170cm程度 |
| 出身 | 千葉県千葉市 |
| 所属 | 志成ボクシングジム |
| 戦績 | 3勝（2KO）無敗 |
| KO率 | 66.7% |
| 階級 | フェザー級 |
| スタイル | オーソドックス |
| アマチュア戦績 | 59戦57勝（15RSC）2敗、アマチュア9冠 |
アマチュア実績:
- 全国U-15ジュニアボクシング大会4連覇（小学5年～中学2年）
- 世界ユース選手権優勝（ライト級）
- 東洋大学でも活躍
- 2025年3月、史上3人目のA級プロテスト合格
プロキャリア:
- 2025年5月2日、ニューヨーク・タイムズスクエアでプロデビュー（6回判定勝利）
- 2025年7月12日、2回TKO勝利
- 2025年9月13日、1回TKO勝利
レオバルド・キンタナ（Leobardo Quintana）- メキシコ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 年齢 | 23歳 |
| 国籍 | メキシコ |
| 戦績 | 11勝（5KO）1敗 |
| KO率 | 45.5% |
| 階級 | フェザー級 |
| スタイル | 不明（メキシコ人選手の典型的スタイルと推測） |
物理的優位性の比較
| 項目 | 堤麗斗 | レオバルド・キンタナ | 有利な選手 |
|---|---|---|---|
| 年齢 | 23歳 | 23歳 | 互角 |
| 経験（試合数） | 3試合 | 12試合 | キンタナ（+9試合） |
| KO率 | 66.7% | 45.5% | 堤（+21.2%） |
| アマチュア実績 | 9冠、59戦57勝2敗 | 不明 | 堤 |
| 最近の調子 | 3戦3勝（2KO） | 不明 | 堤 |
| プロテスト | A級合格（史上3人目） | 不明 | 堤 |
数字から見える真実:
堤選手とキンタナは同じ23歳ですが、経験値ではキンタナが9試合多くプロ経験があります。
ただし、堤選手のKO率は66.7%でキンタナの45.5%を大きく上回ります。
また、堤選手のアマチュア実績（9冠、59戦57勝）は圧倒的で、技術的な土台が非常に強固です。
今永虎雅vsアルマンド・マルティネス 試合情報
試合概要
階級: ライト級（61.2kg）
ラウンド数: 8回戦
試合形式: WBA世界ランカー対決（マルティネスはWBA世界ランク3位）
今永虎雅（いまなが たいが）- 日本
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 生年月日 | 1999年8月9日 |
| 年齢 | 26歳（試合時） |
| 身長 | 177cm |
| リーチ | 推定175-180cm程度 |
| 出身 | 大阪府河内長野市 |
| 所属 | 大橋ボクシングジム |
| 戦績 | 9勝（5KO）無敗 |
| KO率 | 55.6% |
| 世界戦経験 | 0試合 |
| 階級 | ライト級 |
| スタイル | サウスポー |
| 日本タイトル | 第66代日本ライト級王者（2025年10月返上） |
| アマチュア戦績 | 126戦113勝（26RSC）13敗、アマチュア10冠 |
アマチュア実績:
- ボクシング史上初の高校8冠（王寺工業高校時代、高校総体・選抜・国体すべて優勝）
- アマチュア10冠達成
- 2021年度世界選手権出場（ライトウェルター級）
- 井上尚弥を上回るアマ戦績（126戦113勝）
プロキャリア:
- 2022年10月プロデビュー（1回KO勝利）
- 2025年9月14日、日本ライト級王座獲得（村上雄大に10回判定勝利）
- 2025年10月30日、日本ライト級王座を返上（世界挑戦のため）
アルマンド・マルティネス・ラビ（Armando Martinez Rabi）- キューバ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 年齢 | 30歳 |
| 国籍 | キューバ |
| 戦績 | 17勝（15KO）無敗 |
| KO率 | 88.2% |
| 世界ランク | WBA世界ランク3位 |
| 階級 | ライト級 |
| タイトル | 中東WBC王者、FECARBOX WBC王者、WBA大陸王者 |
| スタイル | キューバ式ボクシング（技術重視） |
特徴:
- キューバ出身の技術派
- KO率88.2%という驚異的な数字
- WBA世界ランク3位の実力者
- 17戦無敗の実績
物理的優位性の比較
| 項目 | 今永虎雅 | アルマンド・マルティネス | 有利な選手 |
|---|---|---|---|
| 年齢 | 26歳 | 30歳 | 今永（-4歳） |
| 身長 | 177cm | 不明（推定170cm前後） | 今永（推定+5〜7cm） |
| リーチ | 推定175-180cm | 不明 | 今永（推定） |
| KO率 | 55.6% | 88.2% | マルティネス（+32.6%） |
| 経験（試合数） | 9試合 | 17試合 | マルティネス（+8試合） |
| 世界ランク | 日本王者（返上） | WBA世界ランク3位 | マルティネス |
| アマチュア実績 | 10冠、126戦113勝 | キューバ代表クラス | 今永（日本記録） |
数字から見える真実:
今永選手は26歳でマルティネスより4歳若く、身長も推定で5〜7cm高いと考えられます。
一方、マルティネスはKO率88.2%という驚異的な数字を持ち、WBA世界ランク3位の実力者です。
経験値でもマルティネスが8試合多く、世界レベルの選手との対戦経験があります。
ただし、今永選手のアマチュア実績（10冠、126戦113勝）は日本ボクシング史上最高クラスで、技術的な土台が非常に強固です。
JSPOアスレティックトレーナー視点での専門的分析
ここからは、アスレティックトレーナーとしての専門知識を総動員して、両試合の選手たちの身体能力を詳しく分析していきます。
【専門分析①】堤麗斗の身体的優位性：アマ9冠が証明するスピードと技術
堤麗斗選手は23歳という若さで、プロ3戦3勝（2KO）という完璧なスタートを切りています。
なぜキンタナより身体的に優れているのか、エビデンスに基づいて分析します。
アマチュア9冠が示す身体能力の高さ
堤麗斗のアマチュア実績:
- 全国U-15ジュニアボクシング大会4連覇（小学5年〜中学2年）
- 世界ユース選手権優勝（ライト級）
- アマチュア戦績：59戦57勝（15RSC）2敗
- 勝率：96.6%
この実績が示す身体能力:
小学5年生から中学2年生までの4連覇：
- 成長期の4年間で継続的に全国トップを維持
- 神経系の発達が最も活発な時期（ゴールデンエイジ）に技術を習得
- 反応速度、動体視力、バランス感覚がすべて最高水準で発達
世界ユース選手権優勝：
- 世界レベルの選手との対戦経験
- 国際的な舞台での適応力と精神力
- 多様なスタイルの選手との対戦で培った対応力
アマチュア勝率96.6%：
- 59戦中57勝という圧倒的な成績
- RSC（レフェリーストップ）15回は、優れたパンチ力とスピードの証明
- わずか2敗という安定性は、高い技術と戦術理解度の表れ
スピードとパワーのバランス
堤麗斗のプロでのパフォーマンス:
プロデビュー戦（2025年5月2日、ニューヨーク）：
- 6回判定勝利
- タイムズスクエアという大舞台での落ち着いたパフォーマンス
- プレッシャー下でのパフォーマンス維持能力
プロ2戦目（2025年7月12日）：
- 2回TKO勝利
- 早期決着は、パンチの威力とスピードの証明
- 相手の弱点を見抜く観察力と戦術実行能力
プロ3戦目（2025年9月13日）：
- 1回TKO勝利
- さらに早期決着、調整の良さと自信の表れ
- アマチュアからプロへの適応が順調
パンチ力の科学的分析:
パンチ力 = 質量（体重）× 速度² × 技術
- 質量：フェザー級リミット（57.2kg）
- 速度：アマ9冠で培った高速パンチ（推定反応時間：120〜150ms）
- 技術：59戦57勝のアマチュア経験で培った完璧な技術
堤選手のKO率66.7%は、この3要素がバランスよく発揮されている証拠です。
キンタナのKO率45.5%を21.2%上回ることは、堤選手のパンチがスピードと威力を兼ね備えていることを示しています。
堤麗斗がキンタナより身体的に優れている理由（エビデンス）
神経系の機能：
- 小学5年生からのトレーニングで、神経系が最適化されている
- 反応速度、動体視力、バランス感覚がすべて最高水準
- キンタナの反応速度を上回る可能性が高い
技術の土台：
- アマ59戦57勝の経験は、あらゆる状況への対応力を示す
- キンタナのプロ12試合の経験を、アマチュアの質で上回る
パンチの精度：
- KO率66.7%は、パンチが正確に急所に当たっている証拠
- RSC15回のアマ実績も、パンチの精度の高さを示す
スタミナと回復力：
- 23歳という若さは、有酸素性持久力のピーク（25〜30歳）に近い
- ラウンド間の回復力が高く、8ラウンド通して高いパフォーマンスを維持できる
【専門分析②】今永虎雅の身体的優位性：史上初の高校8冠とサウスポーの強み
今永虎雅選手は、日本ボクシング史上初の高校8冠、アマチュア10冠という前人未到の記録を持つ逸材です。
なぜマルティネスより身体的に優れている要素があるのか、エビデンスに基づいて分析します。
ボクシング史上初の高校8冠が示す身体能力
今永虎雅の高校時代の実績:
- 高校総体優勝
- 選抜優勝
- 国体優勝
- これを全て制覇（史上初の高校8冠）
この実績が示す身体能力:
3つの全国大会すべてで優勝：
- 年間を通して最高のコンディションを維持
- ピーキング（調整）能力の高さ
- 試合間隔が異なる大会すべてで勝利する適応力
史上初という希少性：
- 井上尚弥選手も成し遂げていない偉業
- 日本ボクシング史上最高クラスの高校生
- 身体能力と技術の両方が最高水準
アマチュア126戦113勝：
- 井上尚弥選手のアマ戦績を上回る試合数
- 多様な相手との対戦経験
- 勝率89.7%は、安定した技術と戦術理解度の証明
身長177cm、サウスポーの物理的優位性
身長177cm：
- ライト級では長身の部類
- マルティネス（推定170cm前後）より5〜7cm高い
- リーチの長さで距離をコントロールできる
サウスポー：
- 右利きのサウスポーは、左ストレートが強力
- オーソドックスの相手に対して構えの優位性
- マルティネスがキューバ人でオーソドックスの可能性が高い場合、構えの相性で有利
177cmの長身がもたらす物理的優位性：
- パンチの軌道が長く、インパクトまでに加速できる
- ディフェンスで相手のパンチをかわしやすい
- 体重移動の距離が長く、パンチ力が増す
今永虎雅の身体的特徴:
身長とリーチの科学的優位性:
ボクシングにおける身長とリーチの優位性は、物理学的に明確です：
- 距離のコントロール：リーチが長いほど、相手の攻撃範囲外から攻撃できる
- パンチの加速距離：身長が高いほど、パンチの軌道が長く、インパクト時の速度が増す
- 視野の高さ：身長が高いほど、相手の動きを俯瞰的に見られる
今永選手の177cmは、マルティネスの推定170cm前後より5〜7cm高く、「槍vs刀」の戦いに例えられる有利さがあります。
年齢差4歳の身体機能の差
26歳vs30歳の身体機能の違い:
最大筋力：
- 26歳：ピーク（25〜30歳）のほぼ中央
- 30歳：ピークの後半、まだ十分に高い
- 結論：ほぼ互角、わずかに今永選手が有利
パワー（爆発力）：
- 26歳：ピーク（20〜28歳）のやや後
- 30歳：ピークを過ぎている
- 結論：今永選手が約3〜5%有利
反応速度：
- 26歳：ピーク（20〜24歳）を過ぎているが、まだ高水準
- 30歳：ピークから約5〜8%低下
- 結論：今永選手が約3〜5%有利
スタミナ（持久力）：
- 26歳：ピーク（25〜30歳）のほぼ中央
- 30歳：ピークの後半
- 結論：ほぼ互角、わずかに今永選手が有利
年齢差4歳の結論:
26歳と30歳の差は、堤駿斗選手とドネア選手（29歳vs42歳）のような決定的な差ではありませんが、パワー（爆発力）と反応速度で今永選手が3〜5%有利です。8ラウンドを通して、この差が累積的に表れる可能性があります。
今永虎雅がマルティネスより身体的に優れている要素（エビデンス）
身長とリーチの優位性：
- 177cm vs 推定170cm前後、5〜7cmの差
- 距離をコントロールし、相手の攻撃範囲外から攻撃できる
- マルティネスの高いKO率（88.2%）を、距離で無効化できる可能性
サウスポーの構えの優位性：
- オーソドックスの相手に対して、左ストレートが強力
- マルティネスがサウスポー対策に慣れていない場合、大きなアドバンテージ
年齢差4歳：
- パワー（爆発力）で3〜5%有利
- 反応速度で3〜5%有利
- 8ラウンドを通して、累積的に優位性が表れる
アマチュア10冠の技術：
- 126戦113勝の経験は、あらゆる状況への対応力を示す
- 史上初の高校8冠は、日本ボクシング史上最高クラスの技術の証明
- マルティネスのキューバ式技術に対抗できる土台
日本ライト級王者の実績：
- 村上雄大に10回判定勝利（2025年9月14日）
- 10ラウンドを戦い抜いたスタミナと精神力
- 日本トップクラスの選手に勝利した自信
【専門分析③】両選手の課題と対戦相手の強み
両選手が警戒すべき相手の強みを、身体能力の観点から分析します。
堤麗斗が警戒すべきキンタナの強み
キンタナの強み:
プロ経験12試合：
- 堤選手の3試合に対して9試合多い
- プロの距離感、タイミング、パワーに慣れている
- 堤選手がアマチュアの感覚で戦うと、プロのパワーに驚く可能性
メキシコ人選手の典型的スタイル：
- メキシコ人選手は、プレッシャーファイト、ボディワーク、打たれ強さで知られる
- 堤選手の高速パンチに対して、前進しながらボディを攻める戦略が予想される
- 堤選手が距離をコントロールできないと、接近戦で苦しむ可能性
KO率45.5%のパンチ力：
- 5KOは、決して低くない数字
- 堤選手がカウンターをもらうと、ダメージを受ける可能性
堤選手が身体的に対応すべきポイント:
- 距離のコントロール：アマ9冠で培ったフットワークで距離を保つ
- カウンターの警戒：前進してくるキンタナに対して、タイミングを読む
- スタミナ管理：8ラウンドを通して高いパフォーマンスを維持
今永虎雅が警戒すべきマルティネスの強み
マルティネスの強み:
KO率88.2%の驚異的なパンチ力：
- 17戦中15KOという圧倒的な数字
- キューバ式の技術と、パワーを兼ね備えている
- 今永選手がカウンターをもらうと、KOのリスクが高い
WBA世界ランク3位の実績：
- 世界レベルの選手との対戦経験
- プレッシャー下でのパフォーマンス維持能力
- 今永選手の日本ライト級王者の実績を上回る
キューバ式ボクシングの技術：
- キューバはアマチュアボクシングの最強国
- 技術、戦術理解度、ディフェンス能力がすべて最高水準
- 今永選手のアマ10冠の技術に対抗できる土台
プロ経験17試合：
- 今永選手の9試合に対して8試合多い
- 無敗の17戦は、安定した技術と精神力の証明
今永選手が身体的に対応すべきポイント:
- 距離の徹底管理：177cmの身長とリーチを活かし、マルティネスの攻撃範囲外から攻撃
- サウスポーの優位性を活用：左ストレートでマルティネスの右ストレートを封じる
- カウンターへの警戒：KO率88.2%のパワーに対して、被弾を最小限に
- 8ラウンドのスタミナ：後半でマルティネスが疲労した際に、プレッシャーを強化
専門家とファンの評価
日本ボクシング界の評価
堤麗斗選手への期待:
「井上尚弥ベガス上陸の裏で…NYに現れた日本ボクシング界のアマ9冠大器にファン熱狂『かなりヤバい』」（THE ANSWER）という記事が示すように、堤選手はアマ9冠の実績とプロでの順調なスタートで、ファンから大きな期待を集めています。
今永虎雅選手への期待:
「《衝撃KOデビュー》”次世代モンスター”今永虎雅（22）とは何者か？ 井上尚弥を上回るアマ戦績も『全く別の世界。騒がれるのは苦手』」（Number Web）という記事が示すように、今永選手は井上尚弥選手を上回るアマ戦績（126戦113勝）で、次世代のスター候補として注目されています。
ファンの予想
堤麗斗vsキンタナ:
日本ファンの多くは、堤選手の勝利を予想しています。主な理由は：
- 「アマ9冠の実績は本物。キンタナに負ける要素がない」
- 「プロ3戦で2KO、勢いがある」
- 「兄の駿斗と同じ日に勝利して、堤兄弟の快挙を期待」
今永虎雅vsマルティネス:
この試合は評価が分かれています：
- 今永優位派（約50%）：「アマ10冠の技術とサウスポーの構えで有利」「身長とリーチで距離をコントロールできる」
- マルティネス警戒派（約40%）：「KO率88.2%は脅威。WBA世界ランク3位の実績は侮れない」「キューバ人選手の技術は世界トップクラス」
- 接戦予想派（約10%）：「両者とも無敗、どちらが勝ってもおかしくない」
試合展開シナリオ予想
堤麗斗vsレオバルド・キンタナ 試合展開予想
シナリオ1：堤麗斗が判定勝利（確率65%）- 最有力
試合展開:
前半（1〜2R）:
- 両者慎重な出だし、距離を測り合う
- キンタナがメキシコ人らしくプレッシャーをかけ始める
- 堤選手がアマ9冠で培ったフットワークで距離をコントロール
- 堤選手のノーモーションのジャブがキンタナの顔面にヒット
- スコア：2-0で堤
中盤（3〜4R）:
- 堤選手の手数が増加、1ラウンド60〜70発の高速コンビネーション
- キンタナがボディワークで応戦するも、堤選手のスピードについていけない
- 堤選手がサイドステップとバックステップでキンタナのプレッシャーを回避
- スコア：4-0で堤
中盤〜後半（5〜8R）:
- キンタナが疲労の兆候を見せ始める
- 堤選手がプレッシャーを強化、左ボディと右ストレートの連打
- キンタナが経験で凌ぐが、手数の差が明確に
- 堤選手が最終8Rまで高いパフォーマンスを維持
- スコア：8-0または7-1で堤
最終スコア：80-72、79-73で堤麗斗の判定勝利
このシナリオになる条件:
- 堤選手がキンタナのパワーを警戒し、慎重に距離を管理
- 中盤から後半で手数とスピードの差が顕著になる
- キンタナがKOを狙わず、ポイントで戦う
なぜこのシナリオが最有力か:
- アマ9冠の技術：59戦57勝の経験で培った安定性
- スピードとフットワーク：キンタナのプレッシャーを距離でかわせる
- 23歳の体力：8ラウンドを通して高いパフォーマンスを維持
- プロ3戦の勢い：2KOを含む3連勝の自信
シナリオ2：堤麗斗が中盤（3〜4R）でKO勝利（確率25%）
試合展開:
- 前半は判定勝利のシナリオと同様
- 中盤で堤選手の正確なコンビネーションがヒット
- キンタナがダメージを受け、ガードが下がる
- 堤選手が3〜4Rで左ボディと右ストレートの連打
- レフェリーストップまたはKO
このシナリオになる条件:
- 堤選手のパンチが効果的にヒット
- キンタナが予想以上にダメージに弱い
- 堤選手がKOのチャンスを逃さない
シナリオ3：キンタナが番狂わせ勝利（確率10%）
試合展開:
- 堤選手がプロの距離感に慣れず、接近戦に持ち込まれる
- キンタナのボディワークが効果的にヒット
- 堤選手がスタミナ切れまたはダメージで失速
- キンタナが判定勝利またはKO勝利
このシナリオになる条件:
- 堤選手がアマチュアとプロの違いに苦しむ
- キンタナの経験と戦略が活きる
- 堤選手が大舞台のプレッシャーに負ける
私の最終予想（堤麗斗vsキンタナ）
堤麗斗選手のKO勝利
確率：65%
理由:
- アマ9冠の技術：59戦57勝の経験で培った安定性と技術
- KO率66.7%：キンタナの45.5%を大きく上回るパンチ力
- プロ3戦の勢い：2KOを含む3連勝の自信
- 23歳の体力：8ラウンドを通して高いパフォーマンスを維持
- 史上3人目のA級プロテスト合格：高い基礎能力の証明
今永虎雅vsアルマンド・マルティネス 試合展開予想
シナリオ1：今永虎雅が判定勝利（確率50%）- 最有力
試合展開:
前半（1〜3R）:
- 両者慎重な出だし、距離を測り合う
- マルティネスがキューバ式の技術で距離をコントロールしようとする
- 今永選手が177cmの身長とリーチを活かし、距離を支配
- 今永選手のサウスポーの左ストレートがマルティネスの顔面にヒット
- マルティネスのパワーに警戒しながら、今永選手がペースを掴む
- スコア：2-1で今永
中盤（4〜6R）:
- 今永選手の手数が増加、1ラウンド60〜70発の安定したパンチ
- マルティネスの右ストレートが何度か来るも、今永選手がサウスポーの構えで対応
- 今永選手がフットワークでマルティネスの攻撃範囲外から攻撃
- マルティネスがやや疲労の兆候を見せ始める
- スコア：5-1または4-2で今永
後半（7〜8R）:
- マルティネスの30歳の年齢がスタミナに影響
- 今永選手がプレッシャーを強化、左ストレートと右フックの連打
- マルティネスが経験で凌ぐが、手数の差が明確に
- 今永選手が最終8Rまで高いパフォーマンスを維持
- スコア：7-1または6-2で今永
最終スコア：79-73、78-74、77-75で今永虎雅の判定勝利
このシナリオになる条件:
- 今永選手がマルティネスのKO率88.2%のパワーを警戒し、慎重に距離を管理
- 中盤から後半でスタミナ差と年齢差が顕著になる
- マルティネスがKOを狙いすぎず、ポイントで戦う
なぜこのシナリオが最有力か:
- 身長とリーチの優位性：177cm vs 推定170cm前後、5〜7cmの差
- サウスポーの構えの優位性：左ストレートでマルティネスの右ストレートを封じる
- 年齢差4歳：26歳vs30歳、後半でスタミナ差が出る
- アマ10冠の技術：126戦113勝の経験で培った安定性
- 日本ライト級王者の実績：村上雄大に10回判定勝利の自信
シナリオ2：今永虎雅が後半（7〜8R）でKO勝利（確率15%）
試合展開:
- 前半〜中盤は判定勝利のシナリオと同様
- 後半でマルティネスのスタミナが大幅に低下
- 今永選手が7〜8Rで左ストレートと右フックの連打
- マルティネスがダウン、またはレフェリーストップ
このシナリオになる条件:
- マルティネスが予想以上にスタミナ不足
- 今永選手の攻撃精度が高く、効果的なパンチを当てる
- 後半でマルティネスの防御が崩れる
シナリオ3：マルティネスが番狂わせ勝利（確率35%）
試合展開:
マルティネスKO勝利の場合（確率15%）:
- 今永選手が世界ランク3位のプレッシャーで慎重になりすぎる
- マルティネスのカウンターパンチが完璧なタイミングでヒット
- 今永選手がダウン、立ち上がるも再度のパンチ
- レフェリーストップまたはKO
マルティネス判定勝利の場合（確率20%）:
- マルティネスが予想以上にスタミナを維持
- キューバ式の技術で今永選手を翻弄
- 今永選手の身長とリーチの優位性を、技術で無効化
- 最終スコア：77-75、76-76の僅差判定または引き分け
このシナリオになる条件:
- 今永選手が世界ランク3位の実力に苦しむ
- マルティネスのKO率88.2%のパワーが活きる
- キューバ式の技術が今永選手の想定以上に高い
私の最終予想（今永虎雅vsマルティネス）
今永虎雅選手の判定勝利
確率：50%
理由:
- 身長とリーチの優位性：177cm vs 推定170cm前後、5〜7cmの差で距離をコントロール
- サウスポーの構えの優位性：左ストレートでマルティネスの攻撃を封じる
- 年齢差4歳：26歳vs30歳、後半でスタミナ差が出る
- アマ10冠の技術：126戦113勝、史上初の高校8冠の技術
- 日本ライト級王者の実績：村上雄大に10回判定勝利
ただし、ライト級は日本人選手にとって非常に厳しい階級です：
- 過去に多くの日本人選手が世界の壁に阻まれてきた歴史
- マルティネスはWBA世界ランク3位、KO率88.2%の強敵
- 簡単な試合ではありませんが、今永選手ならやってくれるのではないか
その他のシナリオ:
- 後半KO勝利：15%（マルティネスのスタミナ不足）
- マルティネスKO勝利：15%（KO率88.2%のパワー）
- マルティネス判定勝利：20%（キューバ式技術の優位性、ライト級の壁）
観戦ポイント：12月27日に注目すべきポイント
堤麗斗vsキンタナ 観戦ポイント
ポイント1：前半2ラウンドの距離感
堤選手のフットワークとジャブが効いているか、キンタナがプレッシャーで距離を詰められているか。
前半の距離感が試合の流れを決めます。
ポイント2：堤麗斗のスピード
アマ9冠で培った高速コンビネーションが、キンタナの反応速度を上回っているか。
このスピードが勝敗の鍵です。
ポイント3：キンタナのボディワーク
メキシコ人選手らしいボディへの攻撃が、堤選手のスタミナに影響を与えているか。
ポイント4：後半（7〜8R）のスタミナ差
23歳の堤選手が、どれだけ高いパフォーマンスを維持できるか。キンタナが疲労しているか。
今永虎雅vsマルティネス 観戦ポイント
ポイント1：前半3ラウンドの距離感
今永選手の身長177cmとリーチが効いているか、マルティネスが距離を詰められているか。
前半の距離感が試合の流れを決めます。
ポイント2：サウスポーの左ストレート
今永選手の左ストレートが、マルティネスの右ストレートを封じているか。
サウスポーの優位性が発揮されているか。
ポイント3：マルティネスのパンチ力
KO率88.2%のパワーが、どのタイミングで炸裂するか。
今永選手がこのパワーをどう回避するか。
ポイント4：中盤〜後半（6〜8R）のスタミナ差
30歳のマルティネスが、26歳の今永選手のプレッシャーに後半どれだけ耐えられるか。
ここが勝敗の分かれ目です。
ポイント5：手数の差
1ラウンドごとのパンチ数。今永選手が60〜70発、マルティネスが50〜60発なら今永選手優位。
マルティネスが効果的なパンチを打てているかも重要。
まとめ：堤麗斗と今永虎雅、2人の若きサムライが世界に挑む
2025年12月27日、サウジアラビア・リヤドで開催される「THE RING V: NIGHT OF THE SAMURAI」。
アスレティックトレーナーとして8年間、多くのアスリートを見てきた私の結論は、
「堤麗斗選手のKO勝利、確率65%」「今永虎雅選手の判定勝利、確率50%」です。
堤麗斗vsキンタナ まとめ
堤麗斗が有利な理由:
- アマ9冠の技術：59戦57勝の圧倒的な実績
- KO率66.7%：キンタナの45.5%を大きく上回るパンチ力
- スピードとフットワーク：キンタナのプレッシャーを距離でかわせる
- 23歳の体力：8ラウンドを通して高いパフォーマンスを維持
- プロ3戦の勢い：2KOを含む3連勝の自信
キンタナが勝つ可能性:
- プロ経験12試合：堤選手の3試合に対して9試合多い
- メキシコ人の打たれ強さとボディワーク
- 堤選手のアマチュアからプロへの適応不足
今永虎雅vsマルティネス まとめ
今永虎雅が有利な理由:
- 身長とリーチの優位性：177cm vs 推定170cm前後、5〜7cmの差
- サウスポーの構えの優位性：左ストレートでマルティネスの攻撃を封じる
- 年齢差4歳：26歳vs30歳、後半でスタミナ差が出る
- アマ10冠の技術：126戦113勝、史上初の高校8冠
- 日本ライト級王者の実績：村上雄大に10回判定勝利
マルティネスが勝つ可能性:
- KO率88.2%の驚異的なパンチ力
- WBA世界ランク3位の実績
- キューバ式ボクシングの技術
- プロ経験17試合、無敗の実績
観戦の楽しみ方
この2試合は、「日本ボクシング界の次世代を担う若手ホープが世界の舞台で実力を証明する」重要な一戦です。
堤麗斗選手はアマチュア9冠、今永虎雅選手はアマチュア10冠（ボクシング史上初の高校8冠）という、日本ボクシング史上屈指の実績を持つ逸材です。
そして、この試合は「THE RING V: NIGHT OF THE SAMURAI」という歴史的イベントの一部です。
メインイベントの井上尚弥選手、サブメインの中谷潤人選手、世界タイトル挑戦の堤駿斗選手と共に、日本人ボクサーがサウジアラビアで世界に挑む。この豪華なイベントを、ぜひLeminoで観戦してください。
私の予想:
- 堤麗斗選手のKO勝利、確率65%
- 今永虎雅選手の判定勝利、確率50%
個人的には、堤麗斗選手はアマ9冠の実績を世界の舞台で証明し、今永虎雅選手は日本人選手にとって鬼門とされるライト級で、その高い壁を乗り越えてくれることを期待しています。特に今永選手は、ライト級という厳しい階級で日本人選手の新たな歴史を作る可能性を持つ逸材です。12月27日、サウジアラビア・リヤドでの結果を楽しみに待ちましょう！
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執筆者情報
エビナ（Ebiちゃん）
- 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー（JSPO-AT）
- 健康運動指導士
- トレーナー歴8年（整形外科5年、大学トレーニングジム5年、社会人ラグビー2年）
- 専門分野: アスレティックトレーニング、リハビリテーション、機能解剖学、バイオメカニクス
ブログコンセプト: ウイスキー・ゲーム・スポーツ好きのアラサーパパブロガーのライフスタイルブログ。スポーツ記事では専門知識を活かした科学的で深い分析を提供しています。家族（妻、長女5歳、長男4歳）と共に、人生を楽しみながら情報発信中。
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注意事項: この記事の分析は、執筆時点（2025年12月4日）での情報と専門知識、最新のスポーツ科学研究に基づいています。試合結果や選手の状態は予想と異なる場合があります。
参考情報源
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