谷川萌々子(バイエルン)の身体能力をアスレティックトレーナーが徹底分析|海外の反応と今後の期待を専門家視点で解説【2025年最新】

谷川萌々子選手がなでしこジャパンのユニフォームでガッツポーズをする姿。バイエルンでの活躍を専門分析 スポーツ
「彗星で最高峰」と海外から絶賛される谷川萌々子選手。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーが、バイエルンでの活躍と身体能力を専門的に分析します。

バイエルン・ミュンヘンで活躍する谷川萌々子選手をご存知でしょうか。
わずか20歳にして、スウェーデンリーグで得点王に輝き、パリ五輪では日本代表史上初の10代ゴールを決め
そしてUEFA女子チャンピオンズリーグではPSG相手に決勝点を叩き込む——いま、世界中が彼女に注目しています。

私は日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)として8年間、スポーツ現場で選手たちをサポートしてきました。整形外科5年、大学トレーニングジム5年、そして少年サッカーチームでの2年。その経験の中で、「この選手は本物だ」と確信した瞬間が何度かあります。

谷川萌々子選手との出会いも、そのひとつでした。

約10年前、私がまだ大学生でアスレティックトレーナーの実習をしていた頃のことです。
ある少年サッカーチームで、当時小学3〜4年生だった谷川選手をサポートする機会がありました。
男の子ばかりのチームの中で、たった一人の女の子。でも、ピッチに立った瞬間から、明らかに何かが違いました。

練習後、子どもたちと一緒にボールを蹴ったとき、私は思わず唸りました。
「この子、俺より上手いじゃないか」と。
小学生から高校までサッカーをやっていた20歳の自分が、小学生に完敗する。悔しいというより、純粋な驚きでした。

そして、あの日確信したんです——「この子はとんでもない選手になる」と。

10年経った今、その予感は現実になりました。
谷川選手はバイエルンのユニフォームを着て、世界最高峰の舞台で輝いています。
海外のファンからは「惑星で最高峰」「世界最高の選手」と絶賛され、日本でも「澤を超える」という声が上がるほどです。

谷川萌々子選手は「身体能力」「技術」「サッカーIQ」の三拍子が揃った、日本女子サッカー史上最高クラスの逸材です。168cm・58kgという恵まれた体格、両足から繰り出される強烈なシュート、相手を吹き飛ばすフィジカル、そして誰にも真似できないサッカーセンス——これらすべてを兼ね備えた選手は、そう多くはありません。

この記事では、アスレティックトレーナーとしての専門知識を活かして、谷川萌々子選手の身体能力を徹底分析します。バイエルンでの成績、海外のファンの反応、そして今後の期待まで、専門家の視点で深掘りしていきます。


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  1. 谷川萌々子選手の基本データとプロフィール
    1. 基本情報
    2. サッカー経歴
    3. 主な実績・タイトル
  2. 谷川萌々子選手のキャリアハイライト
    1. スウェーデンリーグ得点王:MFながら16ゴール
    2. パリ五輪ブラジル戦:歴史に残る決勝点
    3. バイエルンでの衝撃デビュー:1ゴール1アシストの鮮烈パフォーマンス
    4. UEFA女子チャンピオンズリーグ:PSG戦で決勝点
  3. JSPOアスレティックトレーナー視点での専門的分析
    1. 【専門分析①】日本人女子選手離れした恵まれた体格
    2. 【専門分析②】両足から繰り出される強烈なキック力
    3. 【専門分析③】抜群の体幹と重心コントロール
  4. 海外の反応:世界が認めた「モモコ」の才能
    1. バイエルンファンからの絶賛
    2. 欧州各国のファンからの反応
    3. ドイツメディアの評価
  5. 日本のファン・SNSでの反応
    1. X(旧Twitter)での反応
    2. プレースタイルへの評価
    3. バイエルン公式の影響力
  6. 専門家・解説者の評価
    1. 恩師からの評価
    2. サッカー専門メディアの分析
    3. JFAアカデミー福島の育成方針
  7. 10年前、私が出会った「規格外の才能」
    1. 男の子に混じって、圧倒的に輝いていた女の子
    2. 20歳の自分が、小学生に完敗した日
    3. 小学生離れしたサッカーIQ
    4. あの日の確信が、現実になった
  8. 今後の期待:世界最高峰への道
    1. 2027年女子ワールドカップへの期待
    2. バイエルンでのさらなる飛躍
    3. アスレティックトレーナーとしての期待
  9. まとめ:日本女子サッカー史上最高クラスの逸材
    1. 谷川萌々子選手の3つの武器
    2. これまでの実績
    3. 海外での評価
    4. 10年越しの感慨
  10. 関連記事

谷川萌々子選手の基本データとプロフィール

基本情報

項目詳細
生年月日2005年5月7日
年齢20歳(2025年11月現在)
出身地愛知県名古屋市緑区
身長168cm
体重58kg
ポジションミッドフィールダー(ボランチ/アタッカー)
利き足両足
所属チームFCバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
代表サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)

サッカー経歴

時期所属備考
幼少期名古屋FCレディース4歳でサッカー開始
小学校グランパスみよし名古屋グランパスのサッカースクール選抜
2018年〜JFAアカデミー福島13期生として入校
2024年1月FCバイエルン・ミュンヘン2.5年契約で加入
2024年FCローゼンゴード(レンタル)スウェーデン1部
2025年1月〜FCバイエルン・ミュンヘンレンタルバック

主な実績・タイトル

クラブでの成績

シーズン所属リーグ戦得点備考
2021-23JFAアカデミー福島51試合19得点なでしこリーグ2部
2024FCローゼンゴード20試合16得点スウェーデンリーグ得点王
2025FCバイエルン・ミュンヘン6試合1得点ブンデスリーガ(継続中)

代表での活躍

  • パリオリンピック2024出場
  • ブラジル戦で決勝点(五輪日本代表史上初の10代ゴール)
  • なでしこジャパンのレギュラーメンバー

谷川萌々子選手のキャリアハイライト

スウェーデンリーグ得点王:MFながら16ゴール

2024年、谷川選手はスウェーデン1部のFCローゼンゴードに期限付き移籍しました。結果は驚異的でした。

ローゼンゴードでの成績

項目数値
リーグ戦出場20試合
得点16ゴール
チーム順位優勝(25勝1敗)
個人タイトル得点王

特筆すべきは、開幕9試合連続ゴールという驚異的な記録です。
ボランチというポジションながら、得点王を獲得するという離れ業を成し遂げました。
バイエルンの公式メディアも「主に8番のポジションでプレーし、クラブのビルドアップ・プレーを上のレベルへと引き上げた」と絶賛しています。

パリ五輪ブラジル戦:歴史に残る決勝点

2024年7月28日、パリオリンピック女子サッカーグループステージ第2戦・ブラジル戦。
なでしこジャパンは0-1でリードを許す苦しい展開でした。

試合の流れ

時間出来事
56分ブラジル先制(1-0)
後半35分谷川萌々子、途中出場
90+1分谷川のドリブル突破でPK獲得 → 熊谷紗希が決めて同点(1-1)
90+6分谷川萌々子、決勝ゴール(1-2)

後半アディショナルタイム6分、谷川選手は約30メートルの位置から右足を振り抜きました。
強烈なミドルシュートがゴールネットを揺らし、劇的な逆転勝利を決めました。

歴史的記録

  • 19歳2ヶ月21日での得点は、男女通じてオリンピック日本代表最年少記録
  • 日本のオリンピック史上、初の10代でのゴール

恩師の山口監督は「ほっておくと、入ってしまう」と語り、このゴールは偶然ではなく、彼女だけの『武器』だと評しました。

バイエルンでの衝撃デビュー:1ゴール1アシストの鮮烈パフォーマンス

2025年1月にバイエルンへレンタルバック後、谷川選手はすぐに存在感を示しました。

DFBポカール準々決勝(2025年2月12日)vs フランクフルト

時間内容
85分途中出場
延長前半3分3人抜きドリブル → アシスト
延長前半14分スーパーミドルシュート → ゴール

左サイドからドリブルで3人を抜き去った後に決めたアシストは、現地メディアで「この日最も美しい動き」と称賛されました。続くミドルシュートは、クロスバーを叩いてからネットを揺らす強烈な一撃でした。

UEFA女子チャンピオンズリーグ:PSG戦で決勝点

2025年11月20日、UEFA女子チャンピオンズリーグ第4節でパリ・サンジェルマンと対戦。
谷川選手は先発出場し、チームを勝利に導きました。

試合ハイライト

34分、谷川選手が圧巻の個人技でネットを揺らしました。
ペナルティエリア内でFWクララ・ビュールからボールを受けた谷川選手は、細かいタッチで相手DFをかわすと、最後は冷静に右足を振り抜き、PSGから勝ち越しゴールを奪いました。

バイエルンは3-1で勝利し、開幕4試合で3勝1敗と好発進を飾っています。


JSPOアスレティックトレーナー視点での専門的分析

ここからは、アスレティックトレーナーとしての専門知識を活かして、谷川萌々子選手の身体能力を科学的に分析します。

【専門分析①】日本人女子選手離れした恵まれた体格

谷川選手の最大の武器のひとつは、日本人女子選手としては恵まれた体格です。

体格比較データ

項目谷川萌々子なでしこ平均
身長168cm163cm+5cm
体重58kg55kg+3kg
BMI20.520.7-0.2

168cmという身長は、日本人女性の平均(158.5cm)より約10cm高く、なでしこジャパンの平均(163cm)と比較しても5cm高い数値です。

フィジカル面での優位性

2022年(17歳)から2024年(19歳)までの映像を追うと、体型の変化が顕著です。
17歳の頃は「カモシカのような」というフレーズが当てはまりましたが、現在は「ランクルぐらいの重量感」を感じるほど逞しくなっています。

スウェーデンリーグでは、当たり負けしないどころか相手選手をはね飛ばすシーンが多く見られました。
2024年4月のシービリーブズカップ・アメリカ戦でも、ドリブル突破で相手ディフェンスを吹っ飛ばすシーンがあり、日本人選手としては異例のフィジカルコンタクトの強さを見せています。

ファンからは「フィジカル強い」「球際強い」「当たり負けしない」「体幹強い」「スケールでかい」という評価が並びます。これは、従来の日本人女子選手にはなかった要素です。

【専門分析②】両足から繰り出される強烈なキック力

谷川選手のシュート・キックには、他の選手とは明らかに違う「音」があります。

キック能力の特徴

取材陣の間では、谷川選手のシュートについて「チームでひとり音が違う」とザワつくほどです。
これは、キック時のインパクト力と足首の固定力の高さを示しています。

項目谷川選手の特徴
キックの質桁違いのパワーと精度
シュートレンジ30m以上のロングレンジも射程圏内
両足の精度左右差がほぼない
予備動作極めて少ない
膝下のスピード非常に速い

両足キックのバイオメカニクス的優位性

アスレティックトレーナーの視点から見ると、両足でキックできることは以下の優位性をもたらします:

  どんな体勢からでもシュートが打てる

  • ダイレクトに素速く足を振り抜ける
  • ディフェンスが対応する時間を与えない

  守備側の予測が困難

  • どちらの足で蹴るか分からない
  • ブロックのタイミングが取りづらい

  体幹の安定性向上

  • 左右均等な筋発達により、コア部分のバランスが良い
  • 急な方向転換でも軸がぶれない

JFAアカデミー福島時代、谷川選手は中学生のときからハーフウェーライン付近から再三ロングシュートを狙っていたそうです。指導者はそのような挑戦的なプレーを制限せず、選手自身の判断に任せる指導を行っていました。この環境が、谷川選手のキック力を育てたと言えます。

【専門分析③】抜群の体幹と重心コントロール

谷川選手のプレーを見て驚くのは、相手との接触でも軸がぶれない体幹の強さです。

体幹の強さが生む能力

 空中でのバランス

  • ジャンプ中の姿勢制御が優れている
  • セットプレーやクロス対応で競り合いに強い

 コンタクト時の安定性

  • 94kgのディフェンダーに当たられても体勢を維持
  • ボールをキープしながらターンできる

 急激な方向転換

  • ドリブル中の切り返しがスムーズ
  • PSG戦での3人抜きは体幹の強さの証明

体幹の強さは、単に筋力だけでなく、神経筋コントロール(Neuromuscular Control)の賜物です。
脳から筋肉への指令が正確かつ迅速に伝わることで、あらゆる状況で最適な姿勢を保てます。


海外の反応:世界が認めた「モモコ」の才能

谷川選手の活躍は、海外でも大きな注目を集めています。

バイエルンファンからの絶賛

バイエルンのコアファンによって運営される専門サイト『MIA SAN ROT』は、PSG戦での谷川選手のゴールについて「谷川の天才的な閃き!」と称賛しました。

バイエルンファンのコメント

  • 「これからは萌々子を全試合90分間起用してください」
  • 「スターガール!!」
  • 「萌々子、どうかこのクラブを去らないでください」
  • 「まずメッシのようなお膳立てをし、次にクロスバーの下にボールを叩きつけた!」
  • 「谷川萌々子がプレイヤー・オブ・ザ・マッチだ!」

欧州各国のファンからの反応

アーセナルサポーター
「今ここで断言する。谷川萌々子は19歳にして世界最高の選手だ!!」
「U-17ワールドカップで初めて彼女を見たときから言ってるけど、彼女はすでにあり得ないレベルにいて、そこからさらに成長し続けてる。彼女のメンタルと吸収力は本当にファンタスティックだ」

スペインのファン
「谷川は歴史に名を残す選手になりそう。バイエルンはとんでもない宝石を手に入れた」
「受賞にふさわしい。彼女はマジで魔法みたいだ」

マンチェスター・ユナイテッドサポーター
「最高の選手だ。彼女は間違いなくトップまで登り詰めるよ」

ドイツメディアの評価

Number Webによると、ドイツでは「モモコは惑星で最高峰」と絶賛されており、「女子サッカーにおいて谷川萌々子が2020年代のサッカー界を象徴する1人になるのかもしれない」と評されています。


日本のファン・SNSでの反応

谷川選手に対する日本のファンの反応も熱狂的です。

X(旧Twitter)での反応

DFBポカールでの1ゴール1アシストの活躍後、SNSは谷川選手への称賛で溢れました。

日本ファンのコメント

  • 「神レベルで震える」
  • 「あんたに惚れたよ」
  • 「ほんと天才」
  • 「別格すぎる」
  • 「この子はマジでヤバい たぶん澤超えるやろ」
  • 「長谷川唯もめちゃめちゃ上手いと思うけど谷川はそれ以上だな」

プレースタイルへの評価

ファンからは谷川選手のプレースタイルについて、以下のような評価が寄せられています。

技術面

  • 「サッカーIQが高い」
  • 「判断力抜群」
  • 「冷静」
  • 「視野広い」
  • 「パスの判断いい」
  • 「サッカーセンスの塊」

存在感

  • 「スケールでかい」
  • 「ボス感ハンパない」
  • 「大物感ある」
  • 「長谷川はプレーがうまい、谷川はサッカーがうまい」

バイエルン公式の影響力

バイエルン公式Xに投稿された3人抜き動画には6,000以上のいいねが付き、コメントは日本人と外国人が半々とのことです。谷川選手は単なる「日本人選手」ではなく、「世界が注目する選手」として認知されつつあります。

パリ五輪でのスーパーゴール後、谷川選手自身も「一番驚いたことは、インスタのフォロワーが7,000人ぐらい増えたこと。1発でこんなにも変わるんだなっていう」と語っており、その影響力の大きさがうかがえます。


専門家・解説者の評価

恩師からの評価

JFAアカデミー福島での恩師・山口監督は、谷川選手について以下のように語っています。

「バイエルンはボランチではなく、アタッカーとして獲得したと言っているんです。ピッチを縦横無尽に走り、ゴールまで奪ってしまう選手として期待されています」

「ほっておくと、入ってしまう」という言葉は、谷川選手のシュートセンスを端的に表しています。

サッカー専門メディアの分析

サッカーダイジェストWebでは、なでしこジャパンにおける谷川選手と長谷川唯選手の比較について、以下のような分析がなされています。

「長谷川と谷川のどちらが優秀かなどと比較するには無意味だ。谷川は当然ながらスーパーヒロイン候補だが、絶対軸ではない。そもそも長谷川とはタイプの違う選手で、よりアタッカー色が強いように映る。考えるべきはむしろ長谷川との共存だろう」

JFAアカデミー福島の育成方針

谷川選手を育てたJFAアカデミー福島の指導方針も注目されています。

「指導者が一方的に教え諭すのではなく、自ら課題を発見し、それを乗り越える力を養うことを重視しました。
この積み重ねが『自立』と『自律』を促し、彼女のリーダーシップの成長にもつながった」

中学生のときからハーフウェーライン付近からロングシュートを狙う谷川選手に対し、指導者は制限をかけず、選手自身の判断に任せる指導を行っていました。この環境が、谷川選手の独創性を育てたと言えます。


10年前、私が出会った「規格外の才能」

ここで少し、私自身の思い出を語らせてください。

約10年前のことです。私はまだ大学生で、アスレティックトレーナーの資格取得を目指して実習に励んでいました。
その実習先の一つが、ある少年サッカーチーム。
そこで出会ったのが、当時小学3〜4年生だった谷川選手でした。

男の子に混じって、圧倒的に輝いていた女の子

そのチームは女子限定ではなく、ほとんどが男の子でした。その中に、一人だけ女の子がいる。
最初は「大丈夫かな」なんて思っていたのですが、その心配は一瞬で吹き飛びました。

練習が始まった瞬間、明らかにレベルが違う。
ボールの止め方、運び方、パスを出すタイミング。どれを取っても、その場にいる誰よりも上手い。
男の子たちが必死で追いかけても、ひょいひょいとかわしていく。
「この子、本当に小学生?」と目を疑いました。

20歳の自分が、小学生に完敗した日

練習後、何人かの子どもたちと一緒にミニゲームをする機会がありました。
私は小学生から高校生までサッカーをやっていたので、「まあ、子ども相手なら」という気持ちがなかったと言えば嘘になります。

ところが、谷川選手とマッチアップした瞬間、その自信は木っ端微塵に。
フェイントに引っかかる、パスコースを読まれる、気づいたらボールを奪われている。完全に手玉に取られました。

「やばい、この子に俺、負けてる」

悔しいとか恥ずかしいとか、そういう感情よりも先に、純粋な驚きが込み上げてきました。

小学生離れしたサッカーIQ

技術だけじゃないんです。何より衝撃的だったのは、彼女のサッカーIQでした。

ボールを持っていないときの動き出し、味方へのコーチング、スペースの認識。
普通、小学生はボールばかり見てしまうものですが、谷川選手は常にピッチ全体を見ていました。
「次にどこにボールが動くか」を予測して、先回りしている。

アスレティックトレーナーの実習生として、それまでにも多くの選手を見てきました。
でも、小学生であそこまで「サッカーというゲームを理解している」選手は、後にも先にも彼女だけです。

あの日の確信が、現実になった

「この子はとんでもない選手になる」

あの日、私は心からそう思いました。10年経った今、谷川選手はバイエルン・ミュンヘンのユニフォームを着て、世界最高峰の舞台で戦っています。パリ五輪での劇的ゴール、チャンピオンズリーグでの決勝点。ニュースで彼女の活躍を見るたびに、あの頃の記憶が蘇ります。

「ああ、やっぱりな」という気持ちと、「ここまで来たか」という感慨が入り混じる。彼女の成長を、こうして遠くから見守れることが、本当に嬉しいです。


今後の期待:世界最高峰への道

2027年女子ワールドカップへの期待

2027年にはブラジルで女子ワールドカップが開催されます。
谷川選手は22歳となり、選手として最も脂がのる時期を迎えます。

なでしこジャパンにとって、谷川選手は「シュートに関してはなでしこジャパンで頭一つ抜けている。ドリブルもパスも上手いし、そろそろ谷川を中心にチーム作りしてもいいかもしれない」という期待の声も上がっています。

バイエルンでのさらなる飛躍

バイエルン・ミュンヘンはドイツ女子リーグで3連覇を達成している強豪クラブです。
谷川選手にとって、最高レベルの環境でプレーし続けることは、さらなる成長の糧となるでしょう。

今後の注目ポイント

 UEFA女子チャンピオンズリーグでの活躍

    • 欧州最高峰の舞台で結果を残せるか
    • PSG戦での決勝点はその片鱗を示した

     ブンデスリーガでのゴール量産

      • スウェーデンリーグで得点王になった得点力をドイツでも発揮できるか

       なでしこジャパンの主力としての成長

        • 長谷川唯選手との共存
        • チームの攻撃の核としての役割

        アスレティックトレーナーとしての期待

        私がアスレティックトレーナーとして期待するのは、怪我なく長くプレーし続けることです。

        谷川選手は若くしてトップレベルでプレーしているため、身体への負荷は相当なものです。しかし、バイエルンには最先端のメディカル・トレーニングスタッフが揃っています。適切な食事指導やトレーニングにより、さらにフィジカルを向上させながら、怪我のリスクを最小限に抑えることができるでしょう。


        まとめ:日本女子サッカー史上最高クラスの逸材

        谷川萌々子選手は、「身体能力」「技術」「サッカーIQ」の三拍子が揃った、日本女子サッカー史上最高クラスの逸材です。

        谷川萌々子選手の3つの武器

         恵まれた体格とフィジカル

          • 168cm・58kgの日本人離れした体格
          • 相手を吹き飛ばすフィジカルコンタクト
          • 体幹の強さと重心コントロール

           両足から繰り出される強烈なキック

            • 30m以上のロングシュートも射程圏内
            • 左右差のない精度
            • 「音が違う」と言われるインパクト力

             圧倒的なサッカーIQ

              • 小学生時代から大人に引けを取らない判断力
              • 視野の広さとパスセンス
              • 「長谷川はプレーがうまい、谷川はサッカーがうまい」

              これまでの実績

              • スウェーデンリーグ得点王(MFながら16ゴール)
              • パリ五輪で歴史的ゴール(日本代表史上初の10代での五輪ゴール)
              • UEFA女子CL PSG戦で決勝点(3人抜きからの一撃)
              • DFBポカールで1ゴール1アシストのデビュー

              海外での評価

              • ドイツでは「モモコは惑星で最高峰」と絶賛
              • アーセナルサポーターは「19歳にして世界最高の選手」と断言
              • バイエルンファンは「どうかこのクラブを去らないで」と熱望

              10年越しの感慨

              10年前、小学生だった谷川選手に完敗したあの日のことを、今でもよく思い出します。「この子はとんでもない選手になる」と確信したあの瞬間。

              そして今、彼女はバイエルンのユニフォームを着て、世界最高峰の舞台に立っている。テレビやスマホの画面越しに彼女のゴールを見るたび、なんだか不思議な気持ちになります。あの頃の小さな女の子が、こんなにも大きな存在になったんだな、と。

              これからも、一人のファンとして、そしてかつて少しだけ関わることができたトレーナーとして、谷川選手の活躍を見守り続けたいと思います。

              2027年ワールドカップ、そしてその先へ——谷川萌々子選手の物語は、まだ始まったばかりです。


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              執筆者情報

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              エビナ(Ebiちゃん)

              • 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
              • 健康運動指導士
              • トレーナー歴8年(整形外科5年、大学トレーニングジム5年、社会人ラグビー2年)
              • 専門分野: アスレティックトレーニング、リハビリテーション、機能解剖学、バイオメカニクス

              ブログコンセプト: ウイスキー・ゲーム・スポーツ好きのアラサーパパブロガーのライフスタイルブログ。スポーツ記事では専門知識を活かした科学的で深い分析を提供しています。家族(妻、長女5歳、長男4歳)と共に、人生を楽しみながら情報発信中。

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