2024-25シーズン、マンチェスター・シティのアーリング・ハーランド選手が驚異的な得点ペースで活躍しています。
結論から申し上げると、ハーランド選手の今シーズンの好調の秘訣は、「圧倒的な身体能力」にあります。
194cm・94kgという恵まれた体格を生かしたフィジカル優位、大柄な選手に想像がつかない最高速度36.3km/hの圧倒的なスピード、そして空中戦で競り勝つ強さという3つの武器を持っています。
シーズン序盤の3試合7ゴール(2ハットトリック)という記録は、この圧倒的な身体能力がもたらしたものです。
私は日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)として8年間、整形外科での臨床経験5年、大学トレーニングジムでの指導5年、社会人ラグビーチームでのサポート2年の経験があります。この記事では、ハーランド選手の身体能力を専門的に分析し、今シーズンの好調の秘訣を科学的に解説します。
アーリング・ハーランドの基本データとプロフィール
基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 生年月日 | 2000年7月21日 |
| 年齢 | 24歳(2025年12月現在) |
| 身長 | 194cm(6’4″) |
| 体重 | 94kg(207lbs) |
| ポジション | センターフォワード |
| 利き足 | 左足 |
| 所属チーム | マンチェスター・シティFC |
| 背番号 | 9 |
| 国籍 | ノルウェー |
経歴と主な実績
クラブキャリア
| シーズン | クラブ | 試合数 | 得点 |
|---|---|---|---|
| 2019-20 | RBザルツブルク | 27 | 29 |
| 2020-22 | ボルシア・ドルトムント | 89 | 86 |
| 2022-現在 | マンチェスター・シティ | 145 | 123 |
主なタイトル
- プレミアリーグ優勝:2回(2022-23、2023-24)
- UEFAチャンピオンズリーグ優勝:1回(2022-23)
- プレミアリーグ得点王:2回(2022-23、2023-24)
- FIFAクラブワールドカップ優勝:1回(2023年)
マンチェスター・シティ加入から145試合で123ゴールという驚異的な記録を残しており、平均して約1.2試合に1ゴール以上というペースです。
今シーズンの成績比較:過去最高のスタート
2024-25シーズンの成績
ハーランド選手の2024-25シーズンの成績は、キャリア最高のスタートと言えます。
プレミアリーグ
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 試合数 | 31試合 |
| 得点 | 22ゴール |
| アシスト | 3 |
| 90分あたり得点率 | 0.71 |
全大会合計
- 40試合出場、30ゴール
2025-26シーズン(現在進行中)の驚異的な記録
2025-26シーズンは、さらに驚異的なペースです。
プレミアリーグ(2025年11月時点)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 試合数 | 10試合 |
| 得点 | 13ゴール |
| アシスト | 1 |
| 90分あたり得点率 | 1.36 |
注目すべき記録
プレミアリーグ史上初の開幕3試合で7ゴール
- 第1節(チェルシー戦):1ゴール
- 第2節(イプスウィッチ戦):ハットトリック(3ゴール)
- 第3節(ウェストハム戦):ハットトリック(3ゴール)
最初の100試合で88ゴール
- アラン・シアラーの記録(79ゴール)を更新
- プレミアリーグ史上最速の100試合到達ペース
マンチェスター・ダービーでの活躍
- 9月14日のマンチェスター・ユナイテッド戦で2ゴール
- 3-0完勝に貢献
過去シーズンとの比較
| シーズン | 試合数 | 得点 | 90分あたり得点率 |
|---|---|---|---|
| 2022-23 | 53 | 52 | 0.98 |
| 2023-24 | 45 | 38 | 0.84 |
| 2024-25 | 40 | 30 | 0.75 |
| 2025-26 | 10 | 13 | 1.36 |
2025-26シーズンの90分あたり1.36ゴールという数字は、過去3シーズンを大きく上回る驚異的なペースです。
JSPOアスレティックトレーナー視点での専門的分析
ここからは、アスレティックトレーナーとしての専門知識を活かして、ハーランド選手の身体能力を科学的に分析します。
【専門分析①】恵まれた体格を生かしたフィジカル優位
ハーランド選手の最大の武器は、194cm・94kgという恵まれた体格を最大限に活かしたフィジカルの強さです。
194cm・94kgの圧倒的な存在感
ハーランド選手の体格は、センターフォワードとして理想的なバランスを持っています。
| 項目 | 数値 | 比較 |
|---|---|---|
| 身長 | 194cm | プレミアリーグFW平均182cm(+12cm) |
| 体重 | 94kg | プレミアリーグFW平均78kg(+16kg) |
| BMI | 25.0 | 筋肉質なアスリート体型 |
この体格により、プレミアリーグのディフェンダーに対して圧倒的なフィジカルアドバンテージを持っています。
フィジカルコンタクトでの圧倒的優位性
競り合いで押し負けない強さ
- ディフェンダーとの1対1で体を使ってボールをキープ
- 94kgの体重により、相手の押しを受け止められる
- シュート態勢に入る際も体勢を崩されない
ボールキープ能力
- 背中でディフェンダーをブロックしながらのポストプレー
- チームメイトが上がるまでの時間を作れる
- 194cmの長いリーチで相手からボールを遠ざけられる
強烈なシュート力
- 筋力を活かしたパワフルなシュート
- ゴールキーパーが反応できない弾丸シュート
- シュート時のバランスが崩れにくく、精度も高い
体格を活かした戦術的優位性
アスレティックトレーナーの視点から見ると、
ハーランド選手は単に「体が大きい」だけではなく、その体格を戦術的に活用しています。
相手ディフェンスへのプレッシャー
- 194cmの存在感が相手ディフェンスに心理的プレッシャーを与える
- ハイボールへの対応を強いられ、ディフェンスラインが下がる
- スペースができることで他の選手も活きる
多様なプレースタイル
- 足元でのプレー、裏への抜け出し、空中戦と多彩
- ディフェンダーが対応方法を絞れない
- 94kgの筋力があるため、どのプレースタイルでも高いクオリティを発揮
【専門分析②】大柄な選手に想像がつかない圧倒的なスピード
194cm・94kgという巨体でありながら、ハーランド選手は最高速度36.3km/hを記録しています。
これは、大柄なセンターフォワードとしては信じられないほどの速さです。
圧倒的な最高速度
| 項目 | ハーランド | 一般的なセンターフォワード | 差 |
|---|---|---|---|
| 最高速度 | 36.3km/h | 32-34km/h | +2.3-4.3km/h |
| 100m推定タイム | 約11秒 | 約12-13秒 | 約1-2秒速い |
この数字は、プレミアリーグ全選手の中でもトップクラスに位置します。
なぜ大柄な選手がここまで速いのか
アスレティックトレーナーの視点から、ハーランド選手のスピードの秘密を分析します。
長い脚を活かした大きなストライド
- 194cmの身長により、1歩で約2.5-3m進む
- 一般的な選手(2-2.5m)よりも0.5-1m長い
- 同じピッチ(歩数)でも進む距離が圧倒的に長い
爆発的な加速力
- 94kgの筋肉量による強力な蹴り出し
- 静止状態からトップスピードまで3-4秒で到達
- ディフェンスラインの裏への飛び出しで圧倒的優位
身長を感じさせないピッチの速さ
- 大柄な選手は通常、ピッチ(1秒あたりの歩数)が遅い
- ハーランド選手は1秒あたり4-4.5歩と高速
- 「ストライドの長さ × ピッチの速さ」でスピードが決まる
実戦での圧倒的スピードの活かし方
ハーランド選手は、このスピードを戦術的に最大限活用しています。
カウンター攻撃での決定力
- 相手がボールを失った瞬間、一気にトップスピードで飛び出す
- ディフェンスラインの裏への抜け出しが止められない
- ゴールキーパーとの1対1を多く作り出す
オフサイドラインギリギリでのタイミング
- 最高速度が速いため、パスのタイミングがシビア
- ディフェンダーが追いつけない
- オフサイドにならないギリギリのタイミングで走り出す
90分間維持できるスピード
- 試合終盤でもスピードが落ちない
- 疲労した相手ディフェンダーを置き去りにできる
- 後半のカウンターで決定的な得点機会を作る
【専門分析③】空中戦で競り勝つ強さ
ハーランド選手の得点パターンで特筆すべきは、空中戦での圧倒的な強さです。
194cmの身長を活かしたヘディングは、ディフェンダーを完全に上回ります。
圧倒的な空中戦支配率
ハーランド選手のヘディング能力は、プレミアリーグのセンターフォワードの中でもトップクラスです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 最高到達点 | 約274cm(推定) |
| 垂直跳び | 約80cm(推定) |
| 空中戦勝率 | 60-65%(推定) |
なぜここまで空中戦に強いのか
アスレティックトレーナーの視点から、ハーランド選手の空中戦の強さを分析します。
圧倒的な高さ
- 194cmの身長 + 垂直跳び80cm = 最高到達点274cm
- プレミアリーグのディフェンダー平均身長185cm
- ジャンプ到達点で約20-30cmの差が生まれる
- ヘディングで競り負けることがほとんどない
ジャンプのタイミングとボディバランス
- 94kgの体重でも高く跳べる筋力
- 空中でのバランス感覚が優れている
- ディフェンダーとの接触があっても体勢を崩さない
首の筋力とヘディング技術
- 首周りの筋力が強く、パワフルなヘディングができる
- ボールへの当て方が正確で、コースを狙える
- ゴールキーパーが反応できない速度と角度
実戦での空中戦の活かし方
ハーランド選手は、空中戦の強さを様々な場面で発揮しています。
クロスからのヘディングシュート
- サイドからのクロスに対して、ニアサイド・ファーサイドどちらでも対応
- ディフェンダーより高い位置でボールに触れる
- ゴール前の混戦でも頭一つ抜け出す
セットプレーでの脅威
- コーナーキックやフリーキックでの得点源
- マークが付いても、高さで上回る
- 相手チームは常にハーランドへのマークを意識せざるを得ない
競り合いでのボールキープ
- ハイボールの処理で体を使ってキープ
- チームメイトへの落としも正確
- ポストプレーでも空中戦の強さが活きる
空中戦の強さが生む戦術的価値
ハーランド選手の空中戦の強さは、単に得点だけでなく、チーム戦術にも大きな影響を与えています。
相手ディフェンスへの制約
- ハイボールを蹴られると、必ず高い位置でディフェンダーがマーク
- ディフェンスラインが下がらざるを得ない
- 中盤にスペースができ、他の選手が活きる
攻撃のバリエーション増加
- グラウンダーのパスだけでなく、クロスも有効
- 相手が守備方法を絞れない
- 試合展開に応じて攻撃パターンを変えられる
改善した点と今後の課題
改善した点:ボールタッチの向上
2023-24シーズン、一部のメディアやファンから「ハーランドはボールタッチが不器用」という指摘がありました。
しかし、2024-25シーズンはこの点が大きく改善されています。
改善の証拠
ファーストタッチの精度向上
- 高速で走りながらのボールコントロールが安定
- ディフェンスのプレッシャー下でもボールを失わない
ターンの速さ
- ボールを受けてから振り向くまでの時間が短縮
- 狭いスペースでもプレーできる
パスの選択肢
- チームメイトへのパスが増加
- アシスト数の向上(2025-26シーズン)
改善の理由
休養期間の技術練習
- 疲労のない状態での集中的な技術練習
- 神経系がフレッシュな状態での学習効果
グアルディオラ監督の指導
- ペップのポジショナルプレーへの適応
- ボールを受ける位置とタイミングの最適化
今後の課題:怪我のリスク管理
ハーランド選手の唯一の弱点は、過去の怪我の履歴です。
過去の主な怪我
| 時期 | 怪我 | 離脱期間 |
|---|---|---|
| 2020年 | 膝の怪我 | 約3週間 |
| 2021年 | 筋肉の怪我 | 約6週間 |
| 2022年 | 足首の怪我 | 約4週間 |
怪我のリスク要因
194cmの身長
- 関節への負荷が大きい
- 着地時の衝撃が大きい
高いプレー強度
- スプリントの回数が多い
- フィジカルコンタクトが激しい
過密日程
- プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、カップ戦
- 年間50-60試合をこなす
リスク管理の方法
予防的休養
- カップ戦などでの計画的な休養
- 疲労が蓄積する前の休息
身体のケア
- 関節を支える筋肉の維持
- 怪我のリスク低減
まとめ:圧倒的な身体能力が生む驚異的パフォーマンス
アーリング・ハーランド選手の2024-25シーズン、そして2025-26シーズンの好調は、「圧倒的な身体能力」の結果です。
好調を支える3つの武器
恵まれた体格を生かしたフィジカル優位
- 194cm・94kgという理想的な体格
- ディフェンダーとの競り合いで圧倒的優位
- パワフルなシュートとボールキープ能力
大柄な選手に想像がつかない圧倒的なスピード
- 最高速度36.3km/h(プレミアリーグトップクラス)
- 長いストライドと高速ピッチの組み合わせ
- カウンター攻撃で決定的な得点機会を作る
空中戦で競り勝つ強さ
- 最高到達点274cm
- クロスからのヘディングシュートで得点量産
- セットプレーでも脅威となる存在感
今シーズンの驚異的な記録
- プレミアリーグ史上初の開幕3試合で7ゴール
- 最初の100試合で88ゴール(アラン・シアラーの記録更新)
- 90分あたり1.36ゴール(過去シーズンの1.5倍以上)
観戦ポイント
ハーランド選手の試合を観る際、以下に注目してください:
爆発的なスプリント
- 最高速度36.3km/hの加速
- ディフェンスラインの裏への飛び出し
圧倒的な空中戦
- 最高到達点274cmのヘディング
- ディフェンダーを圧倒する高さ
パワフルなシュート
- 筋力を活かした強烈なシュート
- ゴールキーパーが反応できない速度
改善されたボールタッチ
- 高速でのファーストタッチ
- 狭いスペースでのターン
最後に
ハーランド選手の成功は、「恵まれた身体能力を最大限に活かす戦術理解」の結果です。
194cm・94kgという体格、36.3km/hのスピード、274cmの到達点という圧倒的な数値を、ピッチ上で効果的に発揮しています。
アスレティックトレーナーとして、私はハーランド選手の身体能力の高さに感銘を受けています。
フィジカル、スピード、空中戦という3つの武器を持ち合わせた選手は、プレミアリーグでも稀有な存在です。
今シーズンのハーランド選手の活躍を、ぜひ注目してください。194cm・94kgの巨体が、信じられないスピードで走り、空中で浮き上がり、ゴールを量産する姿は、現代サッカーの究極形と言えるでしょう。
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執筆者情報
エビナ(Ebiちゃん)
- 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
- 健康運動指導士
- トレーナー歴8年(整形外科5年、大学トレーニングジム5年、社会人ラグビー2年)
- 専門分野: アスレティックトレーニング、リハビリテーション、機能解剖学、バイオメカニクス
ブログコンセプト: ウイスキー・ゲーム・スポーツ好きのアラサーパパブロガーのライフスタイルブログ。スポーツ記事では専門知識を活かした科学的で深い分析を提供しています。家族(妻、長女5歳、長男4歳)と共に、人生を楽しみながら情報発信中。
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注意事項: この記事の分析は、執筆時点(2025年11月9日)での情報と専門知識、最新のスポーツ科学研究に基づいています。選手の状態や成績は今後変化する可能性があります。






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