武居由樹の現在の状況
日本ボクシング界で最も注目されるダブル世界戦が実現!
武居由樹選手の次戦情報に加え、力石政法選手の世界初挑戦を徹底解説します。右肩の怪我から復活を遂げた元キックボクシング王者と、世界への夢を賭ける注目の選手が同日に世界戦に挑む最新情報をお届けします。
武居由樹選手(28歳)は現在WBO世界バンタム級王者として活躍中です。
元々はキックボクシング界で「K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者」として名を馳せた武居選手ですが、2021年にプロボクシングに転向後も驚異的な成長を見せ、わずか10戦(全勝・8KO)という短期間で世界王者に上り詰めました。
大橋ボクシングジム所属の武居選手は、元世界3階級制覇王者の八重樫東氏をトレーナーに迎え
キックボクシング仕込みの圧倒的な攻撃力に加え、ボクシング技術を着実に磨き上げています。
注目すべきは武居選手が2025年1月24日に予定されていた防衛戦を右肩負傷(関節唇損傷)により欠場していたという点です。ファンを待たせてしまったという思いから「この試合で完全に信頼を取り戻したい」と強い決意を語っています。
ダブル世界戦の詳細情報
武居由樹選手の次戦は、2025年5月28日(水)に横浜BUNTAIで開催されます。
対戦相手はタイ出身のユッタポン・トンデイ選手(31歳)。
同時に力石政法選手のIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦も実施される「ダブル世界戦」が実現します。
この大会は「大橋ジム創立30周年記念興行」としても位置づけられており、武居選手のWBO世界バンタム級王座防衛戦に加え、同じ大橋ジム所属の力石政法選手が対戦するエドアルド・ヌニェス選手(メキシコ)との豪華カードとなっています。
試合開催情報:
- 日時:2025年5月28日(水)
- 会場:横浜BUNTAI(神奈川県横浜市中区・収容約5,000人)
- 主催:大橋ボクシングジム
- 放送:Leminoプレミアムで独占生配信予定
対戦カード:
- WBO世界バンタム級タイトルマッチ12回戦:武居由樹 vs ユッタポン・トンデイ
- IBF世界スーパーフェザー級王座決定戦12回戦:力石政法 vs エドアルド・ヌニェス
チケット情報:
- アリーナSRS:110,000円(税込)
- アリーナRS:77,000円(税込)
- 指定A:55,000円(税込)
- 指定B:33,000円(税込)
- 指定C:22,000円(税込)
- 指定D:11,000円(税込)
- ソファーシート席:33,000円(税込)
- プレミアムカウンター席:33,000円(税込)
- 車いす席/車いす介助席:27,500円(税込)
横浜BUNTAIは2024年4月にオープンした新会場で、今回の興行がプロボクシングの初イベントとなります。
大橋ジムと横浜の地との深い縁を感じさせる会場選びとなっています。
武居由樹の怪我と回復状況
武居選手は2025年1月に予定されていた防衛戦直前にスパーリング中の負傷により、右肩に「関節唇損傷」の診断を受けました。「激痛が走って、動かせなくなった」という深刻な状態でありながらも、当初は試合出場を希望して治療を続けていましたが、最終的に医師から全治約4週間との診断を受け、やむなく試合を延期することに。
その後、手術をせずに保存療法での回復を選択し、4〜5月の復帰を目指して地道なリハビリを続けてきました。
興味深いのは、武居選手がこの怪我をプラスに転じていることです。右肩の回復期間中に「左のパンチが上手くなった」と述べており、「怪我の功名で左が磨かれた」と前向きな変化を感じています。
現在は小田原での合同合宿を含め、完全復活に向けた最終調整に入っています。
怪我明けの勘の戻り具合や強化された左手の威力が注目ポイントとなるでしょう。
武居由樹のキャリアと実績
武居由樹選手のキャリアは非常にユニークです。
元々はキックボクシング界で活躍し、K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者など複数のタイトルを獲得していました。
2021年にプロボクシングに転向してからも快進撃を続け、
現在のプロボクシング戦績は10戦全勝(8KO)という無敗記録を保持しています。
主な獲得タイトル:
- K-1 WORLD GPスーパー・バンタム級王者(キックボクシング時代)
- 東洋太平洋スーパーバンタム級王者(2022年8月獲得、1度防衛後返上)
- WBO世界バンタム級王者(2024年5月獲得、現在1度防衛)
特筆すべきは2024年9月の初防衛戦で元世界王者の比嘉大吾選手を判定で下し、防衛に成功している点です。キックボクシングからの転向者が短期間で世界王者となり、さらに防衛に成功するというのは驚異的な成長と言えるでしょう。
東京都足立区出身の武居選手は、問題を抱えた少年時代を経てキックボクシングと出会い、人生を変えてきました。その逆境を乗り越えてきた精神力と、元世界3階級制覇王者の八重樫東トレーナーの指導が、現在の成功の礎となっています。
武居由樹 次戦の見どころと戦略分析
対戦相手:ユッタポン・トンデイ選手の特徴
ユッタポン・トンデイ選手(31歳)はタイ出身で、プロ戦績15戦全勝(9KO)という無敗の挑戦者です。
身長160cmと小柄ながらもオーソドックススタイルから繰り出すパンチ力が特徴で、WBAアジアバンタム級王座(日本未公認の地域タイトル)を保持しています。
アマチュア時代には国際大会で優勝経験があり、特筆すべきは2大会連続五輪金メダリストのロベイシー・ラミレス(キューバ)を破った実績を持つ点です。このようなエリートとしての素質を持ちながら、2020年7月のプロ転向後はタイ国内でキャリアを積み、目立った強豪との対戦経験はまだ少ないという謎めいた挑戦者です。
興味深いのは、武居選手がK-1時代にタイ選手と3度対戦し、いずれも苦戦を強いられながらも判定勝利している点です。身長差は武居選手が170cmでユッタポン選手が160cmと10cmの差がありますが、筋肉質で打たれ強く、パワーのあるフックやアッパーで前に出るKO狙いのタイプであるユッタポン選手を相手に、武居選手が距離をどう取るかが見どころとなります。
戦略分析と予想
武居選手にとって最大の課題は、怪我明けの状態で本調子を取り戻せるかという点です。一方で、リハビリ期間中に左のパンチを強化できたという副産物もあり、より多彩な攻撃オプションを手に入れた可能性もあります。
ユッタポン陣営は「対策は100通りある」と不気味な自信を見せており、アマ時代の大物食いの経験から番狂わせを狙ってくることが予想されます。特に序盤からプレッシャーをかけてくる可能性が高く、武居選手がリズムを掴むまでの立ち上がりが勝負の鍵になるでしょう。
総合的に見れば武居選手が勝利する可能性が高いですが、一つ懸念されるのは対戦相手の知名度の低さです。
ボクシング界ではよくあることですが、ビッグネームとの対戦と比べて知名度の低い選手との試合ではモチベーションが上がりにくく、パフォーマンスが落ちてしまうケースもあります。しかし武居選手はK-1時代から培った集中力と、そのスタイルとボクシングを融合させた独自のファイティングスタイルを発揮できれば、KO勝利する可能性が高いでしょう。
力石政法 世界初挑戦の見どころと戦略分析
対決の構図:サウスポーの技巧派vs驚異のKOパンチャー
力石選手とヌニェス選手の対決は、スタイルの対比が鮮明で非常に興味深い一戦となります。
力石選手はサウスポーの利点を活かした技巧的なボクシングが持ち味で、身長・リーチで約9cmの優位性があります。
一方のヌニェス選手は、勝利試合すべてをKOで決めるという驚異的なパワーを誇る破壊力抜群のファイターです。
勝敗の行方と厳しい戦いの予想
この試合は勝敗予想が割れる好カードですが、正直に言えば力石選手には厳しい戦いになるでしょう。
ヌニェス選手のKO率100%という数字が示す通り「当たれば終わる」危険な相手です。力石選手もパワーがありますが、このレベルの世界戦では単純なパワー勝負は避け、技術と距離感を活かした戦略が必要となります。
力石選手が勝つためのカギは、ヌニェス選手に「打たせないボクシング」を展開できるかどうかにかかっています。長身サウスポーの利点を最大限に生かし、ジャブでヌニェス選手の攻撃を抑えながら、的確なカウンターを積み重ねていく戦略が有効でしょう。ヌニェス選手の爆発的なパンチを一発でも受ければ試合の流れが一変する可能性もあるため、防御の徹底も欠かせません。
序盤から激しい打ち合いになる可能性が高く、スタイルの違いが生み出す試合展開から目が離せません。力石選手自身が「負けたらやめる」と背水の陣で臨む覚悟を公言しており、この一戦に全てを懸ける気迫が勝負の鍵を握るでしょう。厳しい戦いが予想されますが、十分にチャンスはあります。
視聴方法と放送情報
今回の武居由樹選手のWBO世界バンタム級王座防衛戦と力石政法選手のIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦を含む
ダブル世界タイトルマッチは、「Leminoプレミアム」で独占生配信されることが決定しています。
視聴方法:
- 配信プラットフォーム:Leminoプレミアム
- 配信日時:2025年5月28日(水)夜(詳細時間は後日発表)
地上波での放送予定は現時点では発表されていません。最新の放送情報は公式サイトやSNSでの発表をご確認ください。
Leminoプレミアムの視聴方法:
- Leminoアプリをダウンロード(スマートフォン、タブレット、スマートTV対応)
- プレミアム会員登録
- 当日の配信をライブ視聴
過去の大橋ジム主催試合もアーカイブで視聴できるため
本戦に向けて武居選手や力石選手の過去の試合を予習しておくのもおすすめです。
力石政法選手プロフィールと戦績
力石政法選手(30歳)は、アマチュア時代に全日本選手権優勝経験を持ち、2017年にプロデビューしたハードパンチャーです。プロ戦績は17戦16勝(11KO)1敗と素晴らしい成績を残しています。
これまでにWBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級王座を獲得し、防衛も経験しています(後に返上)。2023年3月には海外遠征でイタリアに渡り、WBC世界スーパーフェザー級シルバー王座戦に挑み、世界ランク6位のマイケル・マグネシを劇的な最終12回TKOで破って挑戦権を獲得しました。
力石選手は2024年7月に大橋ボクシングジムに移籍し、移籍後初戦でも2回KO勝利と結果を残しています。
持ち前の強打と左構え(サウスポー)を武器に、今回が自身初の世界タイトル挑戦となります。
力石政法選手の対戦相手情報
力石選手の対戦相手となるエドアルド・ヌニェス選手(27歳)はメキシコ出身で、戦績28戦27勝(27KO)1敗という驚異的なKO率100%(勝利時)のハードパンチャーです。唯一の敗戦以外すべてKO勝利という記録が示す通り、一発で試合を終わらせる破壊力を持っています。
IBF世界スーパーフェザー級1位にランクされており、2024年2月にはタジキスタンで元IBF世界王者のシャフカツ・ラヒモフを11回TKOで下し、IBF王座挑戦権を獲得しました。当初は同級王者アンソニー・カカチェ(英国)が相手となるはずでしたが、カカチェが今年1月に王座返上したためタイトルは空位に。今回、その空位のIBF王座を懸けて力石選手と対戦することになりました。
ヌニェス選手は英マッチルーム社と契約しており、メキシコのみならず世界的にも注目され始めている選手です。身長・リーチでは力石選手が約9cm上回るものの、ヌニェス選手の突進力と重爆パンチには細心の警戒が必要とされています。
力石政法選手の背水の陣と兄弟世界王者への夢
力石選手は今回の世界戦を「人生の集大成」と位置づけており、「勝ったらいつ死んでもいいくらいの意気込み」と自身の覚悟を語っています。一方で「負けたらやめる」とも発言しており、この試合に全てをかける決意が伝わってきます。
勝利すれば悲願の世界王者となり、同時に実兄である矢吹正道選手(IBF世界ライトフライ級王者)と兄弟世界王者という快挙を達成します。力石選手は「兄に続いて自分も世界王者になるつもりで30年間やってきた」と語っており、兄弟での世界制覇という夢の実現に向け、万全の準備を進めています。
日本ボクシング史においても兄弟で世界王者というのは稀有な存在。力石選手はこの大チャンスを確実に掴み取るため、4月中旬からは小田原で同門選手を交えた合同合宿を開始するなど、入念な調整を進めてきました。
実兄の矢吹選手が既に成し遂げた世界王者の座。その背中を追い続けてきた力石選手にとって、今回の挑戦はまさに運命の一戦と言えるでしょう。
ダブル世界戦実現までの背景ストーリー
今回のダブル世界タイトルマッチ開催には紆余曲折がありました。もともと武居選手の2度目の防衛戦(対ユッタポン)は2025年1月24日に有明アリーナで予定されていましたが、武居選手が右肩の関節唇損傷により試合直前に延期となりました。対戦を楽しみにしていたファンに武居選手は謝罪し、復帰戦で信頼を取り戻すことを誓っています。
一方、力石政法選手の世界初挑戦は武居選手の延期と前後して巡ってきました。IBF王者のアンソニー・カカチェ(英国)が今年1月に王座返上したことでタイトルが空位となり、2024年に大橋ジムへ移籍していた力石選手に白羽の矢が立ちました。
大橋秀行会長は力石選手の移籍時に「来年、世界をやります。準備をしています」と明言しており、まさに有言実行の形で世界戦が実現。2025年3月17日、横浜市内のホテルで開催発表記者会見が行われ、武居選手のWBO王座防衛戦と力石選手のIBF王座決定戦を同日開催する「ダブル世界戦」とすることが正式発表されています。
両選手は同じ大橋ジム所属ということもあり、4月中旬から同門選手を交えた合同合宿を小田原で開始し調整を進めてきました。ジム一丸となって臨む地元横浜でのビッグマッチだけに、関係者の期待も高まっています。
日本ボクシング界の新たな展開:武居由樹を取り巻く注目の対戦カード
武居由樹選手の今後の展望として、二つの大きな可能性が浮上しています。一つは前述の那須川天心選手との対戦、
そしてもう一つは最近急浮上したWBA世界バンタム級王者・堤聖也選手(29歳・角海老ジム)との王座統一戦です。
堤選手が自身のX(旧Twitter)アカウントで「流れを見れば、ここでWBA×WBOをやるのが一番いい」と武居選手との統一戦を提案。これに対し武居選手は「自分は何でもいいっすよ」とリポストして応じたことで、両者による頂上決戦の実現に期待が高まっています。
この動きはバンタム級統一戦として6月8日に東京・有明コロシアムでWBCバンタム級王者・中谷潤人選手 vs. IBF同級王者・西田凌佑選手の王座統一戦が発表されたことを受けてのものです。現在、バンタム級世界王者は4団体すべてが日本人という前代未聞の状況。この流れを受けて堤 vs. 武居の実現可能性が高まっています。
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堤選手は2月に、武居選手は昨年9月に、いずれも比嘉大吾選手との激闘を繰り広げており、両者とも一発のハードパンチを持ち、真っ向勝負を挑むファイタースタイルを持つことから、実現すれば激闘必至の一戦となるでしょう。
ファンの間では「武居 vs. 那須川天心戦とどちらが先になるのか」という話題にも発展。武居選手は5月28日のユッタポン戦の会見で、那須川天心戦については「もし今回の試合に勝って、もし指名試合があればそれも勝って、その次でもいいです。天心選手に合わせます」と語っています。
まずは目前のユッタポン・トンディ選手との防衛戦を勝ち抜き、その先に広がる可能性の中から
どのようなスーパーファイトが実現するのか。日本ボクシング界の未来を占う重要な一戦となるでしょう。
まとめ:大橋ジム30周年記念ダブル世界戦のポイント
- 開催日時と場所: 2025年5月28日(水)に横浜BUNTAIで開催
- 武居由樹戦: WBO世界バンタム級王座防衛戦、対戦相手は戦績15戦全勝(9KO)の無敗タイ人ファイター・ユッタポン・トンデイ選手
- 力石政法戦: IBF世界スーパーフェザー級王座決定戦、対戦相手は驚異のKO率100%を誇るメキシコ人ファイター・エドアルド・ヌニェス選手
- 武居選手の回復状況: 右肩の怪我から保存療法で回復、「左のパンチが上手くなった」と前向きな変化も
- 力石選手の決意: 「人生の集大成」「勝ったらいつ死んでもいい」「負けたらやめる」と背水の陣で挑む
- 兄弟世界王者の可能性: 力石選手が勝利すれば、兄の矢吹正道選手(IBF世界ライトフライ級王者)と共に日本ボクシング界屈指の兄弟世界王者が誕生
- 武居選手の今後の展望: 防衛成功なら堤聖也選手との統一戦や那須川天心選手との夢の対決も視野に
- バンタム級の全日本人王者時代: 現在、バンタム級は世界4団体すべてが日本人王者という前代未聞の状況
今回の武居由樹選手の復帰戦は、怪我のブランクを経ての試合となるだけに、選手としての真価が問われる一戦となるでしょう。「皆さん、お待たせしてすみませんでした。たくさんの方に迷惑をかけてしまったので、この試合で完全に信頼を取り戻したい」という武居選手の言葉通り、ファンの期待に応える素晴らしい試合を期待しましょう。
一方の力石選手は、プロボクサーとしての全キャリアをかけた大一番。「兄に続いて自分も世界王者になるつもりで30年間やってきた」という言葉に込められた思いの強さが伝わってきます。兄弟揃っての世界制覇という夢を実現できるか、こちらも目が離せません。
さらに注目すべきは、武居選手の防衛戦後の展開です。世界バンタム級4団体すべてが日本人王者という空前の状況の中で、堤聖也選手との統一戦の可能性、そして那須川天心選手との元キック王者同士の対決という二つのビッグマッチの可能性も浮上しています。
大橋ジム創立30周年を記念する今回のダブル世界戦は、日本ボクシング界の新たな歴史の1ページとなることは間違いありません。両選手の活躍から目が離せない一夜となるでしょう!
この記事は2025年4月28日時点の情報に基づいています。最新情報は各種公式発表をご確認ください。
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