寺地拳四朗、激闘の末に阿久井政悟をTKOで下し統一王者に!次戦はバムこと「ジェシー・ロドリゲス」との対戦を熱望

WBC-WBA世界フライ級王座統一戦で対峙する寺地拳四朗選手とユーリ阿久井政悟選手、試合前のグローブタッチの瞬間 スポーツ
3月13日、両国国技館。WBC王者・寺地拳四朗(左)とWBA王者・ユーリ阿久井政悟(右)の世界フライ級王座統一戦。レフェリーの介入のもと試合前の儀式を行う両選手。この後、激闘の末に寺地選手が12回TKO勝利を収める。

2025年3月13日に東京・両国国技館で開催された『U-NEXT BOXING.2』の試合結果をお届けします。今回は世界タイトルマッチを含む熱戦の数々が繰り広げられました。
個人的な感想も交えながらレポートしていきます!

【寺地拳四朗が2階級目の統一王者に!】

3月13日、東京・両国国技館で開催された『U-NEXT BOXING.2』。
メインイベントで行われたWBA-WBC世界フライ級王座統一12回戦は、WBC王者・寺地拳四朗(BMB)がWBA王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)に最終12回1分31秒TKO勝利を収め、2階級での王座統一とWBC王座の初防衛に成功しました。

試合は序盤から中盤にかけて阿久井のペースで進行。
シャープな左右ストレートと強烈な右アッパーで寺地を何度も追い込む展開に。
11回を終えた時点での採点は105-104が二者で阿久井有利(一人は106ー103で寺地)と、阿久井がリードしていました。

しかし勝負の分かれ目は最終12回。わずかな隙を突いた寺地が右ショートをリターンして阿久井に効かせると、クリンチで逃れようとする阿久井に対して猛攻を仕掛けました。
最後は右アッパー、左フックがかすめた時点でレフェリーが試合を止める判断。
寺地は劇的なTKO勝利を収めました。

「阿久井選手はめちゃめちゃ強くて心が折れそうになった。チームと応援してくれる人のおかげで勝てた」と試合後、苦しかった展開を振り返った寺地拳四朗。この勝利により、寺地は井上尚弥に続く日本人2人目の複数階級統一王者となりました。

【寺地拳四朗の次戦はジェシー・ロドリゲスか】

試合後の記者会見で寺地拳四朗は「次はバムとぜひやりたい。絶対勝ってみせるので」と、パウンド・フォー・パウンド・ランキングにも名を連ねるWBCスーパーフライ級王者ジェシー・ロドリゲス(米)との対戦を希望しました。

「バム」の愛称で知られるロドリゲスは現在WBC・WBO世界スーパーフライ級王者で、そのパワーとスピードから世界最高峰のボクサーの一人として注目されています。
寺地が挑むとなれば、スーパーフライ級での戦いとなりますが、実現すれば日本ボクシング史に残る一戦となるでしょう。

寺地は今回の勝利で25勝16KO1敗のキャリアとなり、名実ともに日本を代表するボクサーとしての地位を確立。次戦の実現が期待されます。

寺地拳四朗選手がWBC・WBA世界フライ級統一王者として両ベルトを掲げる歴史的瞬間
寺地拳四朗選手、両国国技館でのU-NEXT BOXING.2にてユーリ阿久井政悟を下し、WBC・WBA世界フライ級統一王者に。井上尚弥に続く日本人2人目の複数階級統一王者となった歴史的瞬間。

【ユーリ阿久井政悟、世界戦での善戦も惜敗】

一方、涙を流しながらリングを後にした阿久井政悟は今回の敗戦で戦績が21勝11KO3敗1分となりました。

序盤から強いプレッシャーで寺地を追い込み、重い左と右ストレートで効果的にポイントを重ねた阿久井。試合中盤までは明らかに優勢でしたが、終盤に入って疲労が見え始め、右目周りの腫れも目立つように。そして最終ラウンドでの寺地の執念に屈する結果となりました。

阿久井は試合後、裂傷を負った口の治療のため病院に向かったため詳細なコメントはありませんでしたが、ここまで世界王者として実力を示した阿久井の復活に期待が集まります。

【京口紘人vs.オラスクアガ:判定で惜敗も価値ある一戦】

WBO世界フライ級タイトルマッチで対峙する京口紘人選手とアンソニー・オラスクアガ選手、レフェリーによる試合前の最終説明の瞬間
3月13日、両国国技館で行われたWBO世界フライ級タイトルマッチ。左から京口紘人選手、WBO公式レフェリー、チャンピオンのアンソニー・オラスクアガ選手。試合直前の最終確認の様子。

同大会のセミファイナルでは、WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦が行われチャンピオンのアンソニー・オラスクアガ(米)が、3階級制覇を狙う挑戦者14位の京口紘人(ワタナベ)に114-113、117-110、118-109の3-0判定勝ちを収めました。

試合は前半、京口のジャブとボディワークが光る展開。特に4回には京口のコンパクトな左フックが決まり、オラスクアガのボディを狙った攻撃に対して右をクリーンヒットさせる場面もありました。

中盤以降はオラスクアガが戦術を変更。ジャブ&ステップで京口を誘い、距離を取りながら右強打を効かせる戦い方に。11回には物議を醸すノックダウン判定も。
京口がオラスクアガの左アッパーを受けた後、バランスを崩してヒザを着いたように見えた場面がノックダウンとして数えられました。

最終的には判定でオラスクアガが勝利を収めましたが、スコアの差ほど内容に差はなく、京口の技術の高さも際立った一戦でした。

「今回の試合で使えるすべてのものを出し切りました。結果は残念ですが、これからも挑戦し続けます」と京口は試合後にコメント。この敗戦で京口の戦績は19勝12KO3敗となりました。

【アンソニー・オラスクアガの戦績と今後】

今回の京口戦で初防衛を果たしたオラスクアガの戦績は9勝6KO1敗となりました。

2019年4月のプロデビュー以来、急速に頭角を現したオラスクアガは、2023年12月にヘスス・ペレスからWBO王座を奪取。今回の京口戦で王者としての実力を示しました。

特筆すべきはオラスクアガの試合中の戦術変更能力。京口の技術に苦戦した前半から、効果的なジャブとステップワークで流れを変えた中盤以降の戦い方は、チャンピオンとしての器の大きさを示すものでした。

オラスクアガは試合後「京口は素晴らしいファイターだ。私の戦い方を変えなければならないほど、彼は技術的にも精神的にも強かった」と京口を称賛。次戦については「統一戦に興味がある。どの王者とでも戦う準備はできている」と語りました。

【日本ボクシング界の世界レベルでの競争力】

今回の両試合を通して改めて感じられたのは、日本ボクシング界の世界レベルでの高い競争力です。
寺地拳四朗の2階級統一は日本人では井上尚弥に続く快挙であり、京口紘人も世界トップレベルの技術を示しました。

特に両国国技館という伝統ある舞台で、日本人同士の世界王座統一戦が実現したことは歴史的な意義を持ちます。寺地vs阿久井の一戦は、日本ボクシング史に残る名勝負として語り継がれることでしょう。

また、寺地が次戦に名指しした「バム」ことジェシー・ロドリゲスとの対戦が実現すれば、寺地は井上尚弥に続く日本ボクシングの新たな旗手として、さらなる高みを目指すことになります。

【まとめ 寺地拳四朗の統一王者としての今後と京口紘人の復活に期待】

今回のU-NEXT BOXING.2では寺地拳四朗がユーリ阿久井政悟との激闘を制し、2階級での統一王者という偉業を達成。一方の京口紘人はオラスクアガとの技術戦で惜敗しましたが、世界トップレベルでの戦いぶりを見せました。

寺地の次戦として浮上したジェシー・ロドリゲスとの対戦が実現すれば、日本ボクシングにとって新たな歴史的一戦となることでしょう。また、今回敗れた阿久井と京口の復活にも大いに期待が持てます。

今後も目が離せない日本ボクシング界の動向。
世界最高峰の舞台での活躍を、引き続き注目していきたいと思います。

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